「原晋監督を見返したい」“箱根駅伝で引退予定”吉田祐也は今や…青学大のテレビに映らない関係「太田(蒼生)さんは…」「お前はサビを落とせ」
箱根駅伝に強い青山学院大学のランナーたちは仲間、原晋監督とどんな関係を構築して駆け抜けてきたのか。「Sports Graphic Number」「NumberWeb」各ライターの取材によって得た証言から“テレビに映らない物語”を振り返る。 【写真】「め、めっちゃカメラ目線…」原監督“ナンバーワン”ポーズで大ハシャギ!「ハグされて超嬉しそう…」若林に神野、吉田や太田の激走、“ほぼ金髪”な茶髪グラサン走者など、テレビに映らない箱根駅伝名選手を全部見る
3年生まで箱根メンバー外だった吉田の大激走
<名言1> 監督を超える営業マンになりたいです(笑)。 (吉田祐也/NumberWeb 2020年1月4日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/842063 ◇解説◇ 箱根駅伝で躍動する青山学院大学。原晋監督の巧みなマネジメントとともに、人の心を打つのは――激しいチーム内競争を経てつかみ取ったフレッシュグリーンのタスキを胸に、疾走するランナーたちのストーリー性だろう。 その中には3年生までは一度も箱根駅伝のメンバーに入れず、「大学での競技引退」を決意していたはずの男が、今や日本マラソン界の主役候補になった人物もいる。それが吉田である。 2020年の箱根駅伝で2年ぶり5度目の総合優勝を果たした青山学院大が、駅伝の流れをぐっと引き寄せたのが4区。吉田の1時間00分30秒の走りで首位に返り咲き、後続との差を一気に広げたのだ。
引退して「営業マン」のはずがマラソン日本歴代3位
「みんな天晴れな走りをしてくれましたけど、4区は予想よりもプラスアルファが出ました。あそこまで祐也が走るとは思いませんでしたね(笑)」 名将・原晋監督は吉田の快走に驚きつつ、称賛した。吉田は2、3年生時「チーム11番目」の評価を受け続けてきた。時には指揮官との意見の衝突があったことも認めている。それでも――。 「監督を見返したいという思いでずっとやってきたんですけど、今は下から4番目の選手をここまで成長させてくれたことに感謝の気持ちで一杯です」 吉田はその時点で、大手菓子メーカーへの就職が決まっていて、営業職志望だったという。 しかし、人生とはわからない。 原監督の勧めもあって2020年2月の別府大分毎日マラソンに出場して全体3位の日本人トップでゴールする好記録を残し、競技続行を決断。GMOアスリーツに加入し、2020年12月の福岡国際マラソンでは2時間7分5秒の自己新でマラソン初優勝まで飾った。さらには……。その4年後、2024年の同大会で日本歴代3位、2時間5分16秒と日本記録まで20秒に迫る好タイムで優勝し、9月の世界陸上の有力候補に名を挙げている。
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