【コラム】角田裕毅にとって正念場の5年目…ホンダとのつながり関係なしに未来を勝ち取るため、2025年に成すべきこと|F1
角田裕毅にとって2025年は、新規定となる2026年以降に向け、まさに正念場のシーズンとなる。 【動画】独占告白 角田裕毅 2024年のF1を語る/5シーズン目の鈴鹿はどのようなレースにしたいのか 2024年12月19日、レッドブルF1チームは2025年のレギュラードライバーに、リアム・ローソンを起用すると正式発表した。 レーシングブルズに籍を置いていた角田とローソンの2択だったが、ニュージーランド人ドライバーがトップチームに選ばれたのは周知のとおりだ。 この流れについて“角田はホンダのドライバーだから”という見方が強い。2025年限りでレッドブル・パワートレインズとホンダの協力関係がピリオドとなり、新規定となる2026年より、レッドブルPTはフォードとのタッグでリスタートすることが確定している。水面下ではそれに向けた準備が着々と進んでいる。 一方でホンダはアストンマーティンに2026年からPUを単独供給することとなっている。規定が変わることもあり、2026年の勢力図はまだ不確定要素が強い。 一般的に言う“ガラガラポン”の状況となり、伏兵だった中団勢が急激にトップチームに成り上がる可能性を秘めている。その逆として現レギュレーションの有力チームが、2026年から大苦戦するパターンも十分に考えられるだろう。
角田がF1昇格した時と、現在で大きく異なるホンダの状況
今回、新規定を前にした各チームの戦略事情が、角田を含む2025年のドライバー人事に少なからず影響を及ぼしたことは確かだ。 欧州の一部F1専門メディアの中には“アストンマーティン・ホンダにツノダは行くことになるだろう”と今後の動向を予測する論調もある。だが実際のところフェルナンド・アロンソ&ランス・ストロール体制は複数年契約で今後の継続が確定的となっており2026年シートの空きについては現時点で期待することが難しい状況となっている。 また、ホンダと角田のつながりが深い前提ではあるが、そもそもF1昇格時点で角田はレッドブルジュニアの一員として結果を示してF1昇格の切符を勝ち取ったのであって、当時ホンダのムーブとは方向性が異なり、必ずしも一蓮托生ではなかったはずだ。 角田は2016年に鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)の門を叩いており、その後ホンダと二人三脚の状況で下部カテゴリーを戦ってきた。2018年にはトロロッソ(アルファタウリ~現レーシングブルズ)とホンダのタッグが始まった縁もあり、ハンガロリンクで実施されたF3合同テストで存在感を示したことから、角田はレッドブルジュニアに加わることになった。 2019年はF3で、2020年はF2で角田は戦う。そして結果的にはF3、F2ともに1年でステップアップを果たし2021年にアルファタウリからF1デビューとなった。だが角田のF1昇格は2020年のF2最終ラウンドが終わるまで不明瞭だった。