2024年のF1タイトル争い、鍵を握ったのは“フレキシブルウィング”? フェラーリ代表が指摘「少し不満」
フェラーリでチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、フレシキブルウイングの登場と、それに対して強硬なアプローチを取らなかったFIAの決定が、2024年のコンストラクターズタイトル争いに大きな影響を与えたと主張した。 【動画】角田裕毅が語る2025年のF1「クオリティをまだまだ上げていきたい」 2024年シーズンのF1でフェラーリとレッドブルの2チームは、マクラーレンとメルセデスが明らかにフロントウイングの柔軟性を利用して空力的なアドバンテージを得ているとして、FIAに説明を求めた。 FIAはベルギーGPでフロントウイングを監視するカメラを導入したものの、各チームのウイングデザインには満足していると表明。その後、現行フロントウイングの荷重テストには変更を加えないとした。 フレキシブルウイングがタイトル争いにおいて決定的な要因になったのか? との質問に対してバスール代表は「そう思う」と答え、フェラーリが決定までの時間や予算制限の影響により、即座に有効活用できなかったことにフラストレーションを感じていると説明した。 「これに関しては少し不満がある。明確なパフォーマンス要因なのに、合法かどうか決定まで2ヵ月も待たされるんだからね」とバスール代表は言う。 「予算の上限を常に念頭に置く必要がある。つまり予算を効率的に使う必要がある」 「開発を始めて最終的にダメだった場合、60万ユーロ(約1億円)をドブに捨てることになる。2年前にレッドブルと話し合いを行なったが、50万ユーロ(約8100万円)を捨てるだけではなく、1億5000万ユーロ(約243億2000万円)のうちの50万ユーロを燃やすということだ」 「人件費やレース費用、あれやこれやがあって、最終的には開発費。開発にはこれだけ費やすことができるということになる。300万か400万の開発費のうちの50万だ」 「しかし、小さな数字であったとしても、50万を無駄に費やせば、他に使うことはできない。確かに、その時私にとってはストーリーの重要なところだった」 バスール代表は、いかに2024年シーズンのタイトル争いが僅差だったかを考えると、フレキシブルウイングによる性能向上はたとえ小さくても順位を大きく上げることに寄与していたという。 フェラーリのフレキシブルウイング導入は、シンガポールGPのアップデートパッケージの一部だったと考えられている。この遅れは、スペインGPのアップデートが失敗に終わったことよりもタイトル争いに大きな打撃を与えたのではないかと訊かれたバスール代表は、次のように答えた。 「競争が厳しくなればなるほど、ディティールに気を配るようになるのは事実だ。0.6秒の差があった時に、細部にまで注意を払うかどうかは分からない」 「しかしモンツァのように、0.1秒差以内に4~5台がひしめくようなレースでは、フレキシブルウイングがあるのとないのとでは、確かに大きな違いが出てくる」 「おそらく、レギュレーションが厳しく、開発するのが簡単ではないという事実と、タイトル争いがますますタイトになっているという事実の結果だと思う」 「(フロア以上にフレキシブルウイングを持たないことが大きな影響を及ぼしたかどうかは)シーズンをやり直すことができないから、分からない。同じアプローチにはならない」 「それは分かっていたことのひとつで、決断を下す上で後手に回った。もうひとつは開発で、こうした問題が発生するとは思っていなかった。ウイングは数学的なアプローチなのだ」
Jake Boxall-Legge