「不正が潜在化して温存されていった」日野自動車会見8月2日(全文2)
具体的にどの辺りまで調査範囲としたのか
東洋経済新報社:東洋経済の高橋と申します。よろしくお願いいたします。今回の調査の調査範囲について確認させてください。報告書にも書いてあるんですけれども、事案の全容解明とはあるんですけれども、これ、日野が出しているエンジンについて、全て調査をしているわけではないと思うんですけれども、具体的にはどの辺りまでを調査範囲としたというふうに捉えればいいんでしょうか。先ほどの質問の答えだと、まだほかにも過去からあったのかもしれないっていうような趣旨のご発言がありましたけれども、そういった意味ではどこからどこまでの事案を洗い切れていて、それ以外の部分は洗い切れていない、その辺りをちょっと明確にさせていただきたいんですけれども。 榊原:エンジンにつきましては、範囲としましては国内市場向けのエンジンについて調査をしております。で、不正行為につきましては可能な限りさかのぼりまして、個別具体的な不正行為、個別具体的な機種の不正行為が認められる範囲でさかのぼったというふうになります。 東洋経済新報社:当初の、ごめんなさい、これ、手続き的な話になるんですけれども、当初の委員会に委嘱された調査の中ですと、ちょっと事案の全容解明っていうと、ちょっと曖昧なところがあるのであれなんですけれども、今年の3月に発表した時点では含まれていなかったところも、今回調査されていますけれども、そこはどういった経緯で調査することになったのかっていうところも、ちょっと教えてください。
海外で同種の事案が発生する可能性はなかったのか
榊原:基本的には3月に発表された、E9規制、現行機種についての不正行為を端緒として調査を開始したわけなんですけれども、その過程でE9規制の現行機種の不正行為だけではなくて、その前の機種、あるいはさらに言うと、その前の機種についても不正行為があった、それが引き継がれてきていたというふうなことが認められたもんですから、順次拡大していったというふうにご理解いただければと思います。 東洋経済新報社:調査過程で、前のものから続いているということが分かったので、そこも確定したという理解でよろしいでしょうか。 榊原:はい。 東洋経済新報社:分かりました。あと、もう1点、先ほど国内というふうにおっしゃいましたけれども、例えば欧州ですとか、米国ですとか、海外において同種の事案が発生する可能性っていうのはなかったのか。分からないなら分からないでもいいですし、ないと言い切れるなら、ないと言い切っていただいてもいいんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。 榊原:3月の日野自動車の発表にもありますように、今回の調査のきっかけになったのが、北米問題という形で、北米で問題があったので、国内向けのエンジンについても調査したところ、不正行為があって、規制値を逸脱しているようなエンジンが見つかったということで、調査委員会が発足して調査したという契機がありますので、ほかの、海外向けのものについても問題がある可能性はあると思います。 東洋経済新報社:そういった意味で、真因解明という意味では、北米のものも調べるっていうのもあり得たんじゃないかと思うんですけれど、そこは調べなかったっていうことなんでしょうか。 榊原:そこは、海外向けについては多岐にわたりますし、海外のそれぞれの法規についても調べた上でやらないといけませんので、相当時間が掛かってしまいます。で、ただ、国内向けにつきまして限定することによって、こういった不正行為が行われた原因とか、それに対する再発防止策の提言については、国内市場向けに限定してやるのが合理的だというふうな判断をいたしました。 東洋経済新報社:分かりました。ありがとうございます。これ、確認ですが、これはこれで調査は終了になるわけではないわけですか。 榊原:特別調査委員会としての調査は、これで終了だというふうに考えておりますけれども、そういった残った問題、技術的な検証の問題については日野自動車のほうで行われるというふうに承知しております。 東洋経済新報社:分かりました。ありがとうございます。 司会2:次の質問者の方をご指名します。桃田さま、ご質問をお願いいたします。