衆院解散 岸田首相が会見(全文1)今回の選挙は「未来選択選挙」
重要なのは、首脳間の率直な信頼関係
これらのほか、激甚化する災害に対する備えについても経済対策に盛り込んでまいります。「5か年加速化」計画に基づき、防災・減災やインフラ整備、国土強靭化の強化・加速化に機動的に取り組んでまいります。 最後に外交・安全保障について申し上げます。わが国を巡る国際情勢は厳しさを増しています。まず、誰がこの厳しい国際情勢の中で日本国、そして国民の平和と安全を守ることができるのか、誰にこの国の外交・安全保障を委ねるのか、ご選択をいただきたいと思います。基本的な憲法観、日米安保や自衛隊の役割といった基本的な安全保障観でさえ方向性が一致していない野党各党に、この国を委ねることはできません。何よりも重要なのは、首脳間の率直な信頼関係であります。 私は総理に就任した直後から、米国のバイデン大統領を皮切りに、豪州のモリソン首相、インドのモディ首相というクアッドのパートナーと、さらには英国のジョンソン首相とも電話会談を行い、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、緊密に協力していくことを確認いたしました。さらには中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領とも電話会談を行い、尖閣諸島を巡る情勢、あるいは平和条約締結問題などについて、主張すべきは主張し、こうした諸懸案に取り組んでいくための第一歩を踏み出しました。また、厳しい安全保障環境に対応するため、「国家安全保障戦略」、「防衛大綱」、「中期防衛力整備計画」の改定を指示し、関係閣僚間での議論を開始させました。
外交を担うリーダーの経験と胆力が重要
わが国を取り巻く安全保障環境は大きく変化しています。こうした中で安全・安心な国民生活を守り抜くためには、外交を担うリーダーの経験と胆力が重要であると考えます。外務大臣を戦後最長、4年8カ月務め、世界中の首脳とファーストネームで会話できる深い信頼関係を築いてきた私、岸田文雄にお任せいただきたいと思っております。私の持てる経験と、そして力を総動員して、この国の平和と安全と守り抜いていく覚悟です。 新型コロナ対策、経済政策を思い切って実行するため、この総選挙で国民の皆さんの信任をいただければ、数十兆円規模の総合的かつ大胆な経済対策を最優先でお届けいたします。8月26日、私は総理としてこの国のかじ取りを担うための戦いに打って出ました。新型コロナ対応を行う、新型コロナで傷ついた国民、事業者の皆さんへ経済対策を届ける、全ての国民が等しく成長の果実を享受できる新しい資本主義をつくる、日本の平和と安全を守り抜く、世界に貢献する外交・安全保障を進める。私の思いは、そして私が提示してきた政策に1点のぶれも、そして後退もありません。 大切なことは、優先順位をしっかり付けて1つ1つ着実に実施していくことです。今回の選挙は未来選択選挙です。国民の皆さんのご判断をお願いいたします。今、時代は分岐点にあります。どのように動くかが日本の未来を決めることになります。次代を担う若い世代の皆さんをはじめ、全ての国民が自由な発想でさまざまなことにチャレンジでき、新しい技術やイノベーションが社会実装される、わくわくするような未来、そしてその成長の成果がきちっと還元される、安心できる日本を皆さんと共に切り開いていきたいと考えます。新しい時代を皆さんと共に。以上、発言とさせていただきます。ありがとうございました。 司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。指名を受けられました方はお近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で1人1問ご質問をお願いいたします。まず、幹事社2社からご質問をいただきます。読売新聞、黒見さん、どうぞ。