50代の男性部長 成果は上げているのに「友人がいない」と孤独…人間関係づくりに必要な三つのこと
気心が知れた友人がいない寂しさ
田中部長: 学生のころのように、ただつるんでいて楽しいという感じでしょうか。 産業医 : 調子が良い時は仲間だけでもいいのですが、人は調子が悪い時が結構ありますよね。その時に静かに話を聞いてもらえるのは友です。 田中部長: 会社人生もあと残り9年。妻との生活も大事ですが、男同士で気心が知れた友がいないと寂しい人生になるから。 産業医 : 語り合い、共感できる人がいない孤独。そこから生じる寂しさでしょう。 田中部長: そういうことですね。
51歳からでも友はできるか?
田中部長: 恥ずかしい質問になりますが、51歳からでも友人はできますか? いないと老後は孤独で淋しい人生になりそうだなぁ。 産業医 : できると思いますよ。だけど学生のころのように自然にできるというのではなく、そのための努力が必要ですね。 田中部長: 努力って? 産業医 : 人間関係作りについて質問を受けることがあるので、私なりに考えてきましたが、「あいさつ」→「声かけ」→「雑談」という流れで始まると助言してきました。あなたの場合はすでに仲間がいるわけですから、1に相性が良くて、2に一緒にいて安心できる人を選んでください。
食事に誘うことから
産業医 : 次においしい料理、酒を、一緒にすることから始まります。一緒に食事をする、というのは人間関係作りの第一歩。サラリーマン生活でもそうではありませんでしたか? ただ、今度は、仕事の関係ではなく、友だち作りが目的です。「おいしい店があるから、食べに行かないか?」という声かけからです。 田中部長: おいしいものと酒なら、誘いやすい。 産業医 : 相手の人の好きな料理が分かればスムーズに行くでしょう。次においしい店を探す。誘いに応じてくれれば店に事前に行ってみたら。会話などに余裕をもって楽しめますよ。若いころのデートの要領と同じです。 田中部長: すしが好きなら、すし屋に行けばいい。 産業医 : 庶民的な人なら、回転ずしでも良いと思いますよ。一緒に食事をして楽しい時間を過ごすのが目的ですから。誘う時にどちらが良いか、聞くのもひとつですね。 田中部長: わかりました。人間関係作りは、このような努力の積み重ねですね。 産業医 : そうです。これが、まず第一歩です。 田中部長: 当たり前のことのようでいて、その気にならないと始まりませんね。