アインシュタインの予言に挑む すばる望遠鏡の新型装置が本格運用へ
東京大カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)と国立天文台は10日、米ハワイ島のマウナケア山頂にある世界最大級の「すばる望遠鏡」に取り付ける次世代の観測装置「超広視野多天体分光器(PFS)」が完成し、2月から本格運用を始めると発表した。数年かけて約400万の銀河や星を観測し、宇宙がこれからどうなるのか、アインシュタインの予言がどれほど正しいのかといった謎に挑む。 【写真】 すばる望遠鏡に取り付けられた PFS の「主焦点装置」==PFS project提供 PFSは、日米仏独中台ブラジルの7カ国・地域の機関が、15年と1.1億ドル(170億円)をかけて開発した大型の観測装置。天体の光を虹のように分けることで、組成や成り立ち、距離などを調べることができる。 宇宙にたくさんあるはずなのに、見ることも触ることもできない「暗黒物質(ダークマター)」の謎に迫れると期待され、IPMUの村山斉教授は「まるで宇宙を国勢調査するように、宇宙の未来や運命がどうなるのかを調べられる。前代未聞の観測が始まる」と話す。(東山正宜)
朝日新聞社