《美髪のつくり方》カリスマ美容師&美髪アドバイザーが実践する“ツヤ髪を保つテクニック”「シャンプーは洗浄成分に注目」「40代以上は2000円以上のシャンプー・トリートメントを」
後頭部から始め頭頂部は最後
ヘアミルクやオイル、椿油といった「アウトバストリートメント」は、必ずしも揃える必要はない。いくら高価なものを使っても、表面がうるおうだけの〝応急処置〟に過ぎないと、田村さんは言う。 やはり、基本は正しいシャンプーから。優しく丁寧に、頭皮をマッサージするつもりで行ってほしい。 「シャンプーとはサンスクリット語で『マッサージ』という意味。頭皮をお湯で温めてマッサージすることで、新しく生える髪の毛に血液と栄養を送ることができるとされています」(田村さん) シャンプー前は髪をブラッシングしてから、ぬるま湯で1~2分ほど髪と頭皮を洗って、頭皮の毛穴を開かせておく。よしき銀座クリニック院長で美容皮膚科医の吉木伸子さんは、シャンプーはつけすぎてはいけないとアドバイスする。 「すすぎ残しによる頭皮トラブルを招きます。シャンプーを手のひらに取ったら少量をお湯で薄めるようにのばし、後頭部から順番につけましょう。 紫外線などで慢性的にダメージを受けやすい頭頂部は最後にすることで、シャンプーによる刺激を最小限に減らせます」 やしまさんによれば、シャンプーはロングヘアなら3プッシュ、ショートやボブは1.5プッシュで充分。 「洗うときは5本の指の腹を使って、下から上へと優しくもみ洗いします。こすったり力を入れたりはせず、頭皮の表面をなでるくらいの強さで、小刻みに指を動かしましょう」(田村さん) 気をつけなければならないのは、シャンプーのすすぎ残し。 「シャワーの水圧で泡を流すだけではなく、シャンプーしているときと同じように⑱指を使って頭皮を優しくこすりながらシャワーで流してほしい。 特に後頭部は流し残しが多いので、髪をおさげにするときのように左右に分け、分け目の真ん中にシャワーを当てるといいでしょう」(やしまさん) トリートメントは頭皮にはつかないよう毛先を中心につけ、すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流すこと。 「トリートメントの香りや成分を残したいからとわざとすすぎを甘くするのは厳禁。流し残しのある髪が触れることで、顔や首、背中が肌荒れすることもあります」(吉木さん) しっかりすすぎ終えたら、できるだけすぐに乾かすこと。髪が濡れていると、髪の表面にある細かいうろこ状の組織「キューティクル」が開き、そこから水分やたんぱく質が逃げだしてしまうため「髪が濡れている時間」はできるだけ短い方がいい。髪をこすらないようにタオルでポンポンと挟むように水分を取ってから、ドライヤーで乾かそう。翌日の髪質は、ドライヤーのかけ方で激変する。 「“美容室のカット後はきれいなのに、家だと髪がまとまらない”という原因は、おそらくドライヤーです。実は、美容室のドライヤーは家庭用より風量が強いのです。強すぎると扱いが難しいので、自宅で使うドライヤーは“ほどほどに風量があるもの”がベスト。 さらに、温風が熱すぎないことも大切です。『ReFa』のような、適度な温度を保ってくれる『スカルプモード』のあるものがいいでしょう。美容室で行うように、指の腹で頭皮を優しく小刻みにこすり、髪をかきあげながら風を当ててください」(やしまさん) 8割ほど乾いてきたら、温風から冷風に切り替えて仕上げるのがポイントだ。 「冷やすことでキューティクルが引き締まってツヤが出て、ダメージを受けにくくなります。このとき、目の細かいブラシでとかしながら乾かすと、ゴワつきやパサつきも防げます」(田村さん) ブラシは価格帯も種類もさまざまだが、何種類も揃える必要はない。 「髪や頭皮を傷つけないよう、ピンが柔らかくて目の細かいものがおすすめです。コームは目が細かく髪が絡まりやすいので、避けた方が無難。ツヤを出すにはイノシシや豚などの獣毛ブラシを選んで」(やしまさん)