“ネクスト“天心vs武尊の格闘技興行目標は100億円突破…メイウェザーvs朝倉未来で海外PPV市場進出機会を狙う
榊原氏は、2019年の年末に日本でベラトールの大会を開催した際に、米国のプライムタイムに合わせて、試合開始を正午にし、メインのエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)の試合を午後3時前にした例があることをあげ「昼の時間帯の開催も検討したい」という。1990年に当時のヘビー級の世界3団体統一王者のマイク・タイソン(米国)が東京ドームでジェームズ“バスター“ダグラス(米国)に倒され「世紀の番狂わせ」が起きた衝撃の試合も昼間の興行だった。 また榊原氏は、今回、天心、武尊とPPVのインセンティブ契約を結んでいたことも明かした。いわゆるPPVの売り上げに応じて利益を分配する歩合制。米国では、キャリアとプロモーターが売り上げを折半。それをさらに対戦する両者が知名度などによって配分するのが一般的だ。ただ今回の「THE MATCH 2022」は、K-1、RISEの両団体の協力があり、実行委員会を作って実現したため、単純に天心、武尊で“山分け“するものではないようだが、PPVインセンティブ契約は、9月のメイウェザーvs朝倉未来でも両者と結ばれているという。 ちなみにK-1の創始者である正道会館の石井和義館長は、天心、武尊のそれぞれのファイトマネーが2億円以上であろうと推測していた。 天心vs武尊は、間違いなく日本の格闘技ビジネスの新しい扉をひらいた。 RIZINは、7月2日に沖縄で「RIZIN.36」、7月31日にさいたまスーパ―アリーナで「RIZIN.37」と異例の月間2大会を開く。当初から「THE MATCH 2022」の効果を期待して組んだわけではなかったそうだが、榊原氏は「大きな波を作ると、反作用で、その後の興行は辛くなるもの。沖縄大会の反響はいいが、蓋を開けてみないいとわからない。効果がプラスと出るか、マイナスと出るか。読み切れない」と言う。朝倉海の再起戦となる沖縄大会と、“キングカズ”ジュニアの三浦孝太がプロ2戦目に挑み、女子のスーパーアトム級のワールドグランプリの1回戦などが開催がされる埼玉大会は、新しくスタートしたRIZIN独自のプラットホーム「RIZIN STREAM PASS」とスカパーでPPV配信される予定。どれだけの結果を導くことができるのかに注目が集まる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)