“ネクスト“天心vs武尊の格闘技興行目標は100億円突破…メイウェザーvs朝倉未来で海外PPV市場進出機会を狙う
格闘技界に衝撃を与えた天心vs武尊の「THE MATCH 2022」実行委員を務めたRIZINの榊原信行CEOが24日、「RIZIN.37」のカード発表後の囲み取材で“世紀の一戦”の総売り上げが50億円を突破していたことを明かし、今後、PPVの海外市場への進出を考え、興行収入100億円突破を目指す壮大な構想を宣言した。脱・地上波ではなくPPV元年。そのステップにしたいのが、欧米で絶対的な知名度のあるプロボクシングの元世界5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(45、米国)と朝倉未来(29、トライフォース赤坂)がエキシビションで拳を交える9月のビッグマッチ。欧米との時差を考慮して“真昼の決戦”にすることも検討中だという。また天心vs武尊のファイトマネーにPPVインセンティブが含まれていることも明かされ、ファイトマネーが億を超えることが当たり前の時代になってきた。
「(天心vs武尊戦)総売り上げは50億円を優に超える」
推測の域を出なかった天心vs武尊の興行規模が明らかになった。実行委員を務めたRIZINのCEOである榊原氏が「総売り上げで言えば50億円を優に超えた」と明かしたのだ。リングサイド席を300万円に設定し、5万6399人のファンで埋まった東京ドームのチケット収入が約20億円。ABEMAが一般5500円で販売し独占配信したPPVに50万件以上の契約があり、こちらの収入が約27億円。そこに冠スポンサーの「Yogibo」などのスポンサーフィー、長打の列だったグッズ販売などのマーチャンダイズ収入を加えると、総売り上げが50億円を超えてくるのも納得である。 だが、榊原CEOは満足していなかった。 「目指すのは国内最高峰ではない。世界規模で考えたら(50億円は)当たり前で100億円、200億円と上がっても不思議ではない。UFCの年商は1000億円。その規模で事業を構えていけるようにしないと格闘技界は潤わない。テニスの大坂なおみさんは、1人で40億、50億円と稼ぐ。あれだけのことをやり遂げた天心、武尊が何億円も稼げる世界を作らないと、この競技に未来はない。次回に格闘技界が力を合わせるときは100億円を超えたい」 次に天心vs武尊のようなメガイベントを開催した際の壮大な構想を明かした。 ただ「(総売り上げ50億円を)実証してみせることができたのが格闘技界の財産」との手応えがある。 成功の要因のひとつが、PPVの売り上げ記録だ。フジテレビが5月31日に突然、放送撤退を決めたことで、ファンは5500円を支払ってでもPPVで見ざるを得なくなった。まさに怪我の功名だったが、昨年の段階で「2022年に脱・地上波宣言のタイミングがくる」との話が出ていたという。 予兆を感じたのは、昨年10月に、実験的に配信型イベントとして立ち上げた「RIZIN LANDMARK vol.1」の朝倉未来V萩原京平戦だ。直前に契約申し込みが殺到しプラットホームのU-NEXTのサーバーがダウンする不測の事態が起きたが、榊原氏は「実数は今だにわからないが、20万件とかあったのでは」という感触をつかんでいた。 榊原氏は、PRIDEの時代から欧米に倣いPPVをスカパーで行ってきた。 「PPV元年ではないのだが、地上波で見られなくしてしまったことでとんでもない数字になった。ファンからは“無料で見せろよ”はあるのかもしれないが、そういう時代ではない。見たいものを見るためには有料で見る時代。サブスクで見るか、PPVで見るか。プライムなコンテンツは有料で見ていただき、その後に無料で地上波を活用して啓蒙していく。新しい事業スキームを誕生させる手応えがある」 確かに脱・地上波というよりもPPV元年と言った方がいいのかもしれない。榊原氏は、こうも熱弁した。