著名人も公表する「男性更年期障害」――メンズヘルスの第一人者に聞く、主な症状と対策 #性のギモン
著名人も公表することが多くなってきた男性更年期障害。日本初の男性外来「メンズヘルス外来」を立ち上げ男性更年期障害で悩む人たちと向き合う、順天堂大学医学部附属順天堂医院の堀江重郎医師は「コロナ禍になり、特に症状を訴える人が増えている実感がある」と話す。男性更年期障害とはどのような症状なのか、症状を訴える人が増えている背景には何があるのか、そして注意すべきことは何か、堀江医師に聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
実は女性よりも年齢層が幅広い。男性更年期障害の主な症状とは
――まず男性更年期障害の定義、主な症状について教えてください。 堀江重郎: 一般的にテストステロンという男性ホルモンが減少することによって中高年の男性に起こる、さまざまな症状を男性更年期障害と呼びます。ただ、テストステロンの著しい減少による男性更年期障害の発症は中高年男性のだいたい1~2割程度と考えられており、全ての方に起こるわけではありません。 症状としては身体の症状と心の症状に分かれます。身体の症状としてはほてり、発汗、動悸、筋肉や関節の痛み、不眠ですね。疲労感、性機能の低下、頻尿なども挙げられます。 心の症状としては健康感の減少、意欲の低下が見られます。それによって会社に行くことが困難になるという悩みを抱える方が多いですね。イライラする、毎日が楽しくないと感じる、眠れないと訴える方も少なくありません。 ――男性更年期障害は中高年が発症するということですが、だいたい何歳ごろから症状が現れるのでしょうか? 堀江重郎: 40歳ぐらいから発症するケースが多いですが、男性の更年期障害は女性と比べると年齢幅が広く、70歳や80歳でも症状が出ることがあります。 ちなみに、日本で男性更年期障害について知られるようになったのは、ほんの10年ほど前からで、最近認知され始めた症状になります。海外では日本よりも早く、20年ほど前から男性の心身の健康においてテストステロンの補充が重要だということが認識されています。