磯野貴理子流“更年期障害の乗り越え方”「不安になるかもしれないけど、絶対終わるから」#性のギモン
明るいキャラクターでバラエティー番組を中心に活躍する、タレントの磯野貴理子さん(58)。なかでも、フジテレビ「はやく起きた朝は…」では、29年にわたってレギュラーを務め、長寿番組として人気を集めている。活躍を続ける一方で、40代後半を迎えたころには更年期障害に悩んだ時期もあると話す。磯野さんに、更年期障害の経験や乗り越え方について話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
「突然、歩道橋が渡れなくなった」40代後半で現れた更年期障害の症状
――磯野さんが更年期障害を実感したのはいつごろだったのでしょうか。 磯野貴理子: 何歳のときかってはっきりとは全く覚えていないんですが、40代後半~50代だと思います。更年期障害って不思議なもので、いつから始まったのかも、いつ終わったかもわからないんです。フワァっと始まって、フワァっと終わる。そんな感じでしたね。 ――それまでは更年期障害に対してどんなイメージを持っていましたか? 磯野貴理子: 更年期障害というのがあるらしいというくらいで、自分にも症状が現れるとは思っていなかったので、イメージも何もなかったですね。若いときって自分が年を取ると思ってないじゃないですか。あれと同じ感覚で、更年期障害が自分にくるとは全く考えていなかったです。 ――具体的には最初にどんな変化を感じましたか? 磯野貴理子: はじめて「あれ?」って思ったのは、歩道橋を渡れなくなっちゃったとき。怖くて足が震えるんですよ。階段を上って、向こう側に渡ろうとすると歩道橋がガラガラと崩れ落ちるイメージが浮かんできてしまって。怖くて怖くて、途中で引き返しちゃって、結局横断歩道を渡ったりしていましたね。「私どうかしちゃったのかしら」とか思って、ビックリしました。もともと高所恐怖症ではあったんですけど、それまで渡っていた歩道橋が急に渡れなくなったので「なんだろうな」と思いましたね。 あと、ゆりかもめ。あれも高いところを走るでしょ? 浮いていて不安定なイメージがあって、下は海だから余計に怖くて、乗っていたら震えてきちゃって。一番近くの駅に着いた途端に降りて、タクシーで家まで帰ったこともありましたね。 もともとどちらかというとテキパキするタイプの人間だったのに優柔不断になって決断力がなくなって、物事を決めることもできなくなっちゃったんです。 ――そういった症状の原因がわからない時期もあったんですよね? 磯野貴理子: ありましたよ。それで、ホルモン検査をするためにクリニックに行って先生に相談したら「若いときに女社長のようにバリバリ働いていたような人が更年期になると、急に気が弱くなったり決断力がなくなるケースって多いんですよ」と言われました。「ホルモン検査の結果も典型的な更年期障害の数値です」と言われたときは、やっぱりそうなのかとホッとしましたね。 突然汗が出てきたりもするんですよ。バラエティーの本番中にガーッと喋って気づいたら首筋からダ~っと汗をかいていたりとかありましたね。そのときは「一生懸命トークしたから汗かいちゃった」と思っていたから、更年期障害だとは思わなかったんですけどね。 ――症状への不安感や変化については、どのように対処していましたか? 磯野貴理子: はじめてのことで不安でしょうがなかったので、年上の女性に片っ端から意見を聞きました。いろんな方に「更年期のとき、どうでしたか?」と質問してアドバイスをいただいたりして、徐々に折り合いがついてきましたね。