【認知症の現実】「物が届いた時には買ったことを覚えていない」 ある日息子が大量の通販の請求書を発見 夜中に徘徊して帰れなくなることも・・・それでも要介護認定が受けられない!?
■地域でバラツキがある!?要介護認定問題
Aさんの父親は現在、東京都品川区から要介護1の認定を受けています。しかし、かかりつけ医として通っている大田区のクリニックでは「大田区なら要介護3とか4になる」と言われたといいます。 要介護や要支援状態になるとデイサービスや訪問型サービスなど、公的介護保険のサービスを受けることができますが、ランクによって支給限度額がかわり、重度と判定された場合は利用回数を増やせます。また、要介護1、2では特別養護老人ホームを利用できませんが、要介護3以上なら入所が可能となります。
要支援や要介護は、介護にかかる時間が判断基準になっています。その評価については、家を訪問した調査員が全国一律のソフトを使ってチェックし、コンピュータに入力します(1次判定)。その上で、主治医の意見書と合わせて「認定審査会」で最終決定をします(2次判定)。 2度判定があるため正確な結果が出るように思えますが、Aさんは最初にやってくる調査員によって評価がかわるのではないか?と疑いの目を持っています。 (Aさん) 「調査員の人は父を前に、『じゃあいつもの生活を教えてくださいね、何時ぐらいに起きますか?』ってまず聞いたんです。すると父は『7時ぐらいかな』って。『じゃあそのあとは朝ご飯ですか?』『朝ご飯は何時ですか?』って聞くんですけど、父は矢継ぎ早に聞かれた時点でなんかちょっとイラッとしてる感じで。『9時ぐらいかな』って適当に答えたんですよ。明らかに適当に答えてて。そうしたら調査員さんがチラッと僕のほうを見るんです。でも僕は朝、一緒にいるわけじゃないから何時に起きて何時に飯食ってるかなんかわからない。そのあと『午前中は何をしてるんですか?』っていう質問に父は『特に何してるって決めてるものはないけど散歩かなって』って答えるんですね。次に『じゃあ午後は?』って。そしたら父は『だから散歩だよ』って。そうしたら調査員の人が『お元気ですね!問題ありません!』って言うからちょっと待ってと」 Aさんはここで割って入り、調査員の人に「朝から昼飯も食わずに夕方まで毎日歩いてる80歳オーバーの人なんていないでしょ!」と問いただしました。調査員の人が違う聞き方をしたところ、父親の答えが前と変わったため、ここで評価が変わったようです。 (Aさん) 「あれ最初のまま、僕が何も言わずに帰ってたら要介護にならなかったと思いますね」
【関連記事】
- ▶“玄関で授業” “廊下で体育 “定員を超えた詰め込み” 特別支援学校の教室不足 3年前の調査で“全国ワースト”の大阪府 「学校増やして!」と親と教師らが切実な訴え
- ▶「入所施設を縮小」「障害者を地域で」国の理想は障害者と家族を救えるのか 老いてゆく親たちが力尽き命を落とす前に・・・
- ▶朝5時台に出社して勤務終了は夜8時を過ぎることも・・・ 「先駆者となり切り開く」 全国で1.7%しかいない女性バス運転士の1日に密着
- ▶「大阪でガンガンやりたい放題でしょ」 悪質ホストクラブの「売掛」問題 主要店での全廃方針を受け”ホストの闇”が東京・歌舞伎町から大阪・ミナミへひたひたと忍び寄る
- ▶「子どもが幸せだったら、お母さんも幸せになるだろうと」 仕事を休めないお母さんのために病気の子どもを預かる病児保育室も開設 72歳なにわの“人情小児科医”に密着