【ABC特集】「入所施設を縮小」「障害者を地域で」国の理想は障害者と家族を救えるのか 老いてゆく親たちが力尽き命を落とす前に・・・
障害者の『入所施設』。都市部の大阪府では、1000人を超える人たちがベッドの空きを待っています。 (入所施設の施設長)「入所施設の空きがない。(障害のある子を)家でみられるところまでみるしかないと」 人口減少が進む“過疎の町”には、施設そのものがありません。 (身体障害のある男性)「脳性麻痺の二次障害です」「親父が今年72歳になる。母が62歳、まさに老障介護になってくる」 重い障害のある人と家族が、受け入れてくれる『施設』を、求めています。しかし、厚生労働省は、今、“障害者を地域へ”という理想を掲げ、入所施設を縮小するよう、進めています。当事者らが、厚労省に、実情を訴えました。
去年11月。障害のある人や家族、施設の職員らが参加している『暮らしの場を考える会』。翌日、厚労省の職員と、面会できることになっていました。 (九内康夫事務局長)「(厚労省との)交渉の事前打合せということで、時間を取らせていただきます。マスコミの方に、しっかりアピールできる機会と時間は、冒頭の15分しかないので」 厚労省にも、世の中にも、伝えたい、“障害者とその親の暮らし”。会には、深刻な事例が寄せられていました。 (九内康夫事務局長)「1人の方は、大阪の方でお母さんなんですよ。『(息子が入所施設に)入れない』と。すごく困っておられて」 (播本裕子会長)「(腰に)ブロック注射を打ちながら、お母さんが耐えているわけだから」
重い障害のある人の受け入れ先が、まったく、足りません。数、限りある『施設』には、相談が相次いでいます。 (入所施設の施設長 叶原生人さん)「すごく、今、問い合わせが増えているんですよ。高齢の親御さん(子どもを)『どこも、受け入れてくれない』という方」「(他にも)お母さんが、『一刻も早く入所させたいんだけど』と、うちに電話がかかってきて」
(職員)「おはよう」 (入所者)「おはよう」 叶原さんが施設長を務める、大阪府岸和田市の『山直(やまだい)ホーム』。重い知的障害のある人の『入所施設』40床と、短期入所の『ショートステイ』10床を設けています。