平均寿命は15歳から20歳 老化が早く進む難病「コケイン症候群」の女の子 「なんぼ泣いても治らんし」 ”いまを楽しく”笑顔で過ごす母と娘の毎日
沖采音(おき・ことね)さん。14歳。2009年のクリスマスイブに生まれたことねさんは身長102センチ、体重は15キロと、4歳の子と同じぐらいの大きさしかありません。 【”限られた毎日”を思い出に】「寿命短いので…」5倍早く老化が進む「コケイン症候群」 今を楽しむ母子の笑顔【newsおかえり特集】 幼い頃、通常より4倍から5倍の早さで老化が進むといわれる、「コケイン症候群」と診断されました。50万人に一人と言われる、非常に珍しい遺伝性の難病です。
10歳のころに自力で歩くことができなくなった、ことねさん。歳を重ねるにつれ、体の様々な機能が失われていきます。食事を取ることも十分にできず、常に胸から入れたチューブで栄養を補給しています。 (母・香織さん)「発達が遅くても、以前はちょっと歩いたりもしていたので。それができなくなるという説明とかは本人には酷かなと。理解も難しいかなと思っています」 お腹には、体に溜まった排液を出すチューブもつながったまま。補聴器がなければ、音も聞こえにくくなりました。 (ことねさん)「いただきます」 この日、香織さんが作ったのは、一口サイズの小さなおにぎり。ことねさんはフォークや手を使って一生懸命、口に運びます。 (母・香織さん)「自分でできることをやっぱりさせないと。できひんのにやらすのは酷やけど、まだ使える機能があるんやったら、使ってやらへんとね。それも使えなくなるからね」
「いろんなものを見せてあげたい 聞かせてあげたい」 離乳食も進まず・・・7歳で”難病”診断 治療法無く
生まれてすぐは、ごく普通の女の子でした。しかし、ミルクをうまく飲めなかったり、離乳食も進まなかったり。 3歳の時に精密検査を受けると、筋力が弱まる難病「先天性ミオパチー」と診断されました。
しかし、それだけでは説明のつかない症状もあり、その後「コケイン症候群」でもあることが判明。このとき、すでに7歳でした。 コケイン症候群の平均寿命は、15歳から20歳。根本的な治療法はなく、症状の改善は期待できないといいます。 (母・香織さん)「先生に、寿命が短い病気だから、目が見えているときにいろんなものを見せてあげてください。耳が聞こえる間にいろんな音を聞かせてあげてください。いろんな思い出をつくってあげてください。と言われたときは、さすがにジーンときました。そこで何ができるかな…と考えるようになりました」
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