【ABC特集】妻は若年性アルツハイマー型認知症 3度目の5㎞マラソン挑戦で見えてきたもの サポートやリハビリのあるべき姿とは
1月に大阪で開催された「河内長野シティマラソン」。5㎞の部に、府内在住の森由美子さん(61)と、伴走として夫の正和さん(60)が出場しました。由美子さんは50代半ばに「若年性アルツハイマー型認知症」と診断されています。 (記者)「きのう眠れました?」 (正和さん)「(由美子さんは)ぐっすりですよ。けど夜中何回も起きる。おしっこで。ぼくは寝不足ですね ずっと寝不足」
今年で3回目の参加ですが、正和さんは「今年が最後になるかもしれない」と話します。日々進行する病気と向き合い、周囲のサポートやリハビリのあるべき形を模索する家族の姿を追いました。
由美子さんは50代半ばで症状が
65歳未満で発症する「若年性認知症」。全国に3万5000人以上(2020年発表)の 患者がいるとされていて、今のところ根本的な治療方法はありません。 長年看護師一筋で働いていた由美子さんは、体調を崩すこともほとんどなく、熱心に仕事をしていたといいます。しかし50代の半ば、通勤中に自分がどこにいるのかわからなくなったり、同じ事を繰り返すようになったりするなど認知症の症状が目立ち始めました。
記者が最初に森さん一家に会ったのは、今から3年以上前の2020年。当時、由美子さんは職場の配慮で別の部署に異動していました。夫の正和さんが仕事を休職して通勤に付き添い、しばらく仕事を続けたものの病気の進行は止まらず。定年を迎える前の58歳の時に退職せざるをえませんでした。 正和さんは娘の真由美さんとともに、由美子さんが通うことができる作業所やリハビリができる介護サービスを探しました。しかし認知症の症状はあるものの、体は元気な由美子さんに合う施設は見つかりませんでした。 (由美子さん)「だめなときが多いんです。明日はまたいいやろうという感じで」 (記者)「調子が悪いと感じることあります?」 (由美子さん)「あります。あまり気にしないようにしてるんですけどね」 (正和さん)「家にいるとどんどん悪くなる」 (記者)「目に見えてわかりますか?」 (正和さん)「わかりますね 人と会っているとしっかりするし 仕事に行くとしっかりするし、だめなときもあるけど」