「朝起き上がれない」中学生の10人に1人――起立性調節障害、不登校の要因に #今つらいあなたへ
中2の秋、症状が良くならず、大学病院に3カ月ほど入院した。だが、そこで転機もあった。 「入院した小児科病棟には自分より小さな子がいっぱいいたんです。大学病院で重い病気の子もいて……がんばっている子と出会って、僕も看護師になりたいなと思い始めました」 瀧さんは進路について担任に相談しながら、受験勉強し、奈良県の全日制高校に進学した。高校進学後に症状が改善し、バスケットボール部に入部した。高校卒業後は看護の専門学校へ進み、現在は奈良市内の病院の小児科で働いている。台風や雨の日など気圧の低い日は頭痛もあるが、職場の同僚とバスケットボールをするなど、仕事もプライベートも楽しんでいる。 瀧さんは「今、起立性調節障害の子たちに伝えたいことがある」と言う。 「しんどかったとき、『OD(起立性調節障害)はずっとつきあっていく病気じゃないよ』って主治医の先生が言ってくれたことが支えになりました。ODがずっと続いていくと考えたら、なかなか将来を考えられないと思うんです……。でも、ずっとつきあっていくわけではない。だから『大人になったらこれをやってやるぞ』っていろいろ考えてみてほしいです」 国分瑠衣子(こくぶん・るいこ) ジャーナリスト。北海道新聞社、繊維専門紙記者を経てフリーの記者に。入試・受験、労働問題を主なテーマに取材している。 --- 「#今つらいあなたへ」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。つらい気持ちを抱えた人の「生きるための支援」につながるコンテンツを発信しています。