見解今回の受賞理由は「mRNAが免疫システムにどう相互に作用するかについて私たちの理解を根本から変えた画期的な発見」を評価するとともに、大勢の命を救ったとされる新型コロナワクチン開発への貢献を評価したとのことです。これが現時点での科学界の支配的な評価と受け止めるべきでしょう。 ただ、ノーベル賞は最も権威ある「評価」とはいえ、人間が行う「評価」なので、絶対に覆されることのない最終的な「真理」とは異なります(過去、ノーベル賞の業績に対する評価が覆った例もあります)。 新型コロナワクチンは接種開始からまだ2年程度です。今回の「評価」は、有害事象へのモニタリングや検証を十分に尽くした上でのものだったのでしょうか。いかに多くの命を救った画期的技術だとしても、情報公開の透明性、選択の自由の重要性は変わらず、少数であっても犠牲者の存在や訴えを無きものとせずに不断の検証と知見の更新が求められると思います。
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コメンテータープロフィール
慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。
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