見解このニュースを読んで、単純に「管理上、何も問題はなかったのに、なぜ子どもは死亡したのか?」と疑問に思いました。「死亡」という厳然たる事実があるので、今回の監査でチェックした「これまでの管理項目」、すなわち保育士の配置人数、マニュアルの有無、救命講習の受講などでは「子どもの死亡は予防できない」ということがはっきりしました。現在行われている管理上の問題がないと判断したのなら、子ども自身に問題があったと判断されたのでしょうか? 前回(2024年11月14日)のニュースに対しても、この欄でコメントを書きましたが、私は、窒息の原因として肉の調理方法に問題があったのではないかと推測しています。監査項目に食べたものの調理法の項目がなかったのかもしれません。園は「絶対に起きてはならないことが起きた」とコメントしています。絶対に起こさないためには、肉の調理方法について詳しく検討することが不可欠です。
コメンテータープロフィール
1974年東京大学医学部卒業。1987年同大学医学部小児科講師。1989年焼津市立総合病院小児科科長。1995年こどもの城小児保健部長を経て、1999年緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。1985年、プールの排水口に吸い込まれた中学2年生女児を看取ったことから事故予防に取り組み始めた。現在、NPO法人Safe Kids Japan理事長、こども家庭庁教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員、国民生活センター商品テスト分析・評価委員会委員、日本スポーツ振興センター学校災害防止調査研究委員会委員。
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