補足保育管理下で、また、食べ物による窒息死が発生してしまいました。1歳になると奥歯が生え始めますが、その奥歯は噛む面が小さいため、噛みつぶすことはできても、すりつぶすことはうまくできません。そのため、口内で肉をすりつぶして小片にすることができず、ある程度の塊のままの肉が喉頭部に移動し、そこに詰まって気道を閉塞したと思われます。すぐに死亡しているので、肉塊は比較的大きかったと思われます。1-2歳児に肉を与える時は、たたいてつぶしたり、細かく切って与える必要があります。このケースでは、子どもの正確な年齢、歯の生えている状態、ふだんの嚥下の状況、与えた肉の種類と肉の部位、その調理法(切り方、加熱方法)などの詳しい情報がないと、十分に検討することができません。これらの情報は、すでにわかっているはずです。園、あるいは警察は、これらの詳しい情報を公開し、今後の予防につなげる必要があります。
コメンテータープロフィール
1974年東京大学医学部卒業。1987年同大学医学部小児科講師。1989年焼津市立総合病院小児科科長。1995年こどもの城小児保健部長を経て、1999年緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。1985年、プールの排水口に吸い込まれた中学2年生女児を看取ったことから事故予防に取り組み始めた。現在、NPO法人Safe Kids Japan理事長、こども家庭庁教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員、国民生活センター商品テスト分析・評価委員会委員、日本スポーツ振興センター学校災害防止調査研究委員会委員。
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