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富坂聰

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拓殖大学海外事情研究所教授

報告

見解児童が被害者になる悲惨な事件を思えば遺族への対応と再発防止はマストだが、日本はそれ以上の何を求めているのか。気になったのは容疑者の供述や日頃の言動、ネット上に何の痕跡もない段階で「動機は反日」と言わんばかりの報道をし、その後「五失人員」とこっそり解説を変えた日本の反応だ。「通り魔」であれ「報復社会」であれ、似たような無差別切り付け事件は今月も日本で二件(三宮と北九州)起き、昨年は九件発生している。そのすべての動機が明らかなのだろうか。日本の児童が被害者という点に怒りを感じても、本来こういう事件では最初に容疑者の責任能力を疑うのが訓練された記者や研究者だ。私は2000年代から反日活動家の主要メンバーをほぼ全て取材したから分かるが、歴史認識由来のいまの反日感情の激しさは当時のレベルにはるかに及ばない。いまあるのは反米のついでの反日だ。そういう中国のいまが見えなくなっている日本が逆に心配になる。

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  • 益尾知佐子

    国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

    見解「事件の詳細について司法プロセスの中で適切な形で説明する機会がある」というのは、端的にいえば、中国は…続きを読む

コメンテータープロフィール

富坂聰

拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。

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