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富坂聰

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拓殖大学海外事情研究所教授

報告

解説今年3月、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「核戦争のリスクが過去数十年で最高レベルにまで悪化している」と発言し、ロシアはウクライナの後ろにいる欧米をけん制するため「核抑止力を強化せざるを得ない」(リャブコフ外務次官)と警告するなど、世界にはきな臭い空気が漂っている。中国もそのことは認識している。ただ、だからといって「ICBMを見せつける」という短期的な狙いが中国にあったとは考えにくい。弾頭数で米ロに圧倒的に劣る中国は、ミサイルの精度や技術を高めることで対応するため、着実にその道を歩んでいる。計画的に進めているということだ。また局地戦に主眼を置き、国内に製造業の分厚い基盤を持つという強みを磨いている。衛星システムも強化している。そうした全体的な動きの一つとしての実験なのだろう。

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コメンテータープロフィール

富坂聰

拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。

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