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富坂聰

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拓殖大学海外事情研究所教授

報告

解説中国のメンツが潰されたとか、北朝鮮に苛立っているとかは問題の本質ではない。中朝関係の悪化という「日本の定説」も中国側から聞いたことはない。ロ朝の協力は主権国家同士の選択で中国の介入には限界がある。それは中国が公式に述べている通りだ。海外への派兵も中東戦争など初めてではない。違和感を感じるのは、この記事には北朝鮮が南北統一を放棄するかのような言動を始めた変化に触れていない点。北朝鮮をそうさせた何らかの大きな変化、もしくは兆候が朝鮮半島の周辺で起きたとみるべきで、中国も当然それをつかんでいる。中国が北朝鮮の動きをどう見るかは、そこが見えない限り判断はできない。ただ、少なくとも日本で教科書的に言われる、アメリカを軸に「敵の敵は味方」のような考え方は時代遅れだ。米欧の価値観や影響力を最小限にする世界を新たにつくってしまおうとする動きがあり、そこでは北朝鮮との距離を中国がロシアと競う必要はない。

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コメンテータープロフィール

富坂聰

拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。

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  • 富坂聰

    拓殖大学海外事情研究所教授

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