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富坂聰

富坂聰

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拓殖大学海外事情研究所教授

報告

見解今回の首脳会談で、わずかだが進展を期待され始めた米中に比し、日中の見通しは明るくない。一つは中国が対日関係を長期的な課題と認識し始めたことだ。アメリカ追従で台湾問題から南シナ海、さらにはその枠を超えて中国のけん制に熱心な反面、日本自身の利害がどこにあるのか、まったく見えてこない点に中国は戸惑っている。もう一つは中国との埋めがたい距離だ。日本がコロナ禍から意図的に接触面を狭めてきた影響で、中国の情報は正しく伝わっていない。処理水放出時の中国の反応を予測できずに慌てたことは典型的だ。米中対立のなか、中国側は日中関係を安定させるメリットを感じている。しかし、期待はしないはずだ。

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コメンテータープロフィール

富坂聰

拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。

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