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富坂聰

富坂聰

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拓殖大学海外事情研究所教授

報告

解説中国は日本との関係を対米関係の従属変数と位置づけている。そのアメリカとの関係は「長期戦」。短期的な改善は期待していない。だが、米大統領選を控え少しでも対日関係を落ち着かせておきたい。問題は双方の視点がズレていることだ。日本では「処理水」「拘束日本人」など個別の問題に注目が集まり、その解決が政治家の手柄にもつながる。だが中国が日本に求めているのは「日本が現実的な利益」を重視すること。例えば「半導体関連での対中輸出規制を自国の利益を犠牲にしてまでやる必要があるのか?」ということだ。ASEANの姿勢とはいかなくとも、フランスやドイツのレベルの「独自の外交」にならないのか、と。日本の現場では「一刻も早くビザ免除を」という声が高まっているのに、いかにものんびりした動きだ。このニュースから分かるのは、日中間のパイプがどこまでスカスカになり、いかに外交が機能してこなかったかではないだろうか。

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コメンテータープロフィール

富坂聰

拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。

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