見解最初に押さえたいのは現時点で厚生労働省案に過ぎず、実際にそうと決まるのは法案を出して(=閣議決定がなされて)国会審議の結果、可決成立した場合です。 次に仮にそうなったとしたら「目の前の手取りが減るのでは」との「不安」は的中するという点です。「将来安心」とは主に厚生年金の比例報酬分が基礎年金(国民年金と同額)に上乗せされるとの意味でしょう。でも「目の前の手取り」を主たる目的にしている方に何をどう「うまく伝」えるのか。「35歳」の「A子さん」に支給されるのは30年後(65歳)です。最大の利点であった物価スライドも廃止されマクロ経済スライドへ移行したため「安心」とほど遠い状況です。 社会保険で大きな割合を占める健康保険の説明もない。普通に医療を受ける分だけならば扶養でカバーできます。「105万6000円の年収」ならば被扶養者でも傷病手当が受けられる可能性大ゆえ丸損といえなくもない。
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コメンテータープロフィール
十文字学園女子大学非常勤講師。毎日新聞記者などを経て現在、日本ニュース時事能力検定協会監事などを務める。近著に『政治のしくみがイチからわかる本』『国際関係の基本がイチから分かる本』(いずれも日本実業出版社刊)など。
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