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関口威人

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見解「ボランティア元年」と呼ばれた30年前の阪神・淡路大震災以来、新潟県中越地震や東日本大震災を通じてボランティアの裾野は広がり続けました。現場で動ける中高年や学生の数がまだ減少局面ではなく、社会福祉協議会やNPO同士のネットワークも発達して活気が生まれる方向にあったように感じます。 ところが熊本地震や西日本豪雨あたりから、疲弊感が伝わってくるようになりました。毎年どこかで災害が起こり、しかもそれぞれに被害が甚大で爪痕が深く、正直「ボランティアでは手に負えない」という感覚や疑問が大きくなってきたように思えます。 コロナ禍での現場支援の難しさも追い打ちとなり、曲がり角を迎えていたタイミングで、今回の能登半島地震が来てしまったとも言えます。「防災庁」の設置も見据え、もう一度ゼロベースで災害ボランティアとは何か、官民連携とはどうあるべきかを社会的に議論し、立て直すべきときなのでしょう。

コメンテータープロフィール

1973年横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学)修了。中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で社会問題をはじめ環境や防災、科学技術などの諸問題を追い掛ける。東日本大震災発生前後の4年間は災害救援NPOの非常勤スタッフを経験。2012年からは環境専門紙の編集長を10年間務めた。2018年に名古屋エリアのライターやカメラマン、編集者らと一般社団法人「なごやメディア研究会(nameken)」を立ち上げて代表理事に就任。

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