解説イスラエルによるレバノン攻撃当初は、一方的にヒズブッラーの幹部が「除去」される展開でした。「抵抗の枢軸」陣営の共通の振る舞いとして、ハマースなんかと心中したくないという消極的な行動に終始している間に強烈な攻撃を受けた展開です。ただし、その後はイスラエル軍の侵攻や「ヒズブッラーの殲滅」はたいした戦果を上げませんでした。過去20年の「テロとの戦い」で示されているとおり、「テロ組織」と戦っているつもりの当事者が明確な「勝利」を実現するのはほぼ不可能です。これに対し、「テロ組織」の方は運動が存続していることをもって自らの「勝利」を主張できます。ヒズブッラーについては、レバノンの不思議な政治体制が同党の存在を必要としている側面もあるので、これを「テロ組織」と認識している限り問題は解決しないでしょう。
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コメンテータープロフィール
新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。
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