見解当事者団体が求めてきたのは児童扶養手当の第一子からの増額です。物価高の中で食事すらままならない苦しいひとり親世帯が増えていると支援団体からも、不安の声が増えています。児童扶養手当の拡充と言っても、第三子以降だけというきわめて小規模な改正に止まっています。 DV被害により心身の不調に苦しんで働くこともままならない、働いていても低賃金の仕事で子どもの風邪や病気でさらに収入が不安定になっているなど、ひとり親世帯の暮らしは、特に苦しい実態に心を寄せていただけると幸いです。 合わせて先進国の中で著しく立ち遅れている養育費確保法の整備と運用も急がれます。
コメンテータープロフィール
末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。
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