補足斎藤氏側の意見を前提にすれば、(1) 選挙期間前に(正当な)ポスター等の製作をPR会社に発注した、(2) 同社社長が選挙期間中にボランティアで選挙運動を行なったというものである。この点で、選挙期間中のことが問題になった平成15年東京地裁判決とは、確かに事案が異なるといえる。 しかし、公選法は選挙運動員に対する金品の供与等のみならず、「公私の職務」の供与等も禁じている(第221条1項1号)。本件はこれには該当しないのだろうか。 つまり、斎藤氏は事前にPR会社社長のプレゼンを受けていたのだから、社長がボランティアであれ、選挙運動を行なうということを知っていた可能性がある。とすれば、いずれ選挙運動員になることが分かっている者に対して、選挙期間前に「公私の職務」を供与したといえないのかが問題となる。これがもしも許されるとすれば、事前買収ははやり放題ではないか。大審院の解釈はなお有効だと思う。
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コメンテータープロフィール
1952年生まれ。甲南大学名誉教授、弁護士、元甲南大学法科大学院教授、元関西大学法学部教授。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、薬物規制などを研究。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。趣味は、囲碁とジャズ。(note → https://note.com/sonodahisashi) 【座右の銘】法学は、物言わぬテミス(正義の女神)に言葉を与ふる作業なり。
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