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佐藤丙午

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拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

解説国際関係論の理論に基づく解説を、非常に簡単に説明すると、国際システムは、①覇権国の利益、②多数国の協調、③規範(そうあるべきだとする常識)の三つに支えられる。法律や国際組織は、この三つの制度化の手段ということになる。 その上で、米国は自由貿易体制が、国際システムの安定においても、また国際社会や経済の発展にとっても、また米国の国益にとっても良いと判断したので、選択したのである。ただし、このシステムの維持は、覇権国が国際公共財を提供するか、多数国の合意があり負担分担をすることで成り立つ。 トランプ政権を支えているのは、米国が単独で国際公共財を提供することが不公平であるという勢力と、自由貿易体制が米国の利益になっていない、という勢力の連合体のように見える。あるいは、自由貿易体制を維持することには合意するが、半導体などの戦略製品では例外措置を設けるべき、との勢力も存在しているように見える。

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    十文字学園女子大学非常勤講師

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コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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