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坂東太郎

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十文字学園女子大学非常勤講師

報告

見解国の指導者が「自国優先」を唱えるのは、ある意味当然とはいえ、トランプ氏の「同盟国」や友好国にも課す「高率関税」政策は自国=アメリカ国民を「優先」するかが興味深い。  輸入品への関税分だけ米国内の販売価格は上昇します。その範囲内で米国内産業が復活できたにしても米国の物価が上がるには違いなくインフレを促進する材料です。  高関税は日本を含む外国からの輸入を減らします。気がかりなのは米国内通貨のドルが同時に基軸通貨でもある点。金兌換を停止して以降のドルは不換紙幣で、にもかかわらず基軸通貨たり得たのは米経済への信認を前提とした国際協調体制があったればこそ。結果として「ドル本位制」とも呼べる態勢が半世紀以上続き、それこそがアメリカ最大級の国益ともなってきました。前政権から察するにトランプ氏は現実的に対応すると予測されるも仮に文字通りの「自国優先」を押し通したら却って「自国毀損」になりかねません。

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コメンテータープロフィール

坂東太郎

十文字学園女子大学非常勤講師

十文字学園女子大学非常勤講師。毎日新聞記者などを経て現在、日本ニュース時事能力検定協会監事などを務める。近著に『政治のしくみがイチからわかる本』『国際関係の基本がイチから分かる本』(いずれも日本実業出版社刊)など。

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