解説石破首相のAPECとG20への参加の焦点は、バイデン大統領やその他の政府首脳との首脳会談ではなく、帰路に米国に立ち寄り、トランプ次期大統領と面会できるかどうか、であろう。 トランプ氏の当選直後の電話会談では、通訳を入れて5分程度会談したとされるが、これは他の政府首脳と比べて圧倒的に時間が少なかったと報じられている。確かに通訳を入れる場合、5分という時間は、実質的に挨拶と当選の祝意を伝えるだけと考えるのが自然で、実質的な会話は無いに等しいだろう。これは、韓国のユン大統領が15分(通訳を入れなかったと伝えられる)と比較して圧倒的に少なく、米韓関係の複雑な政治課題の存在を考えても、トランプ大統領の中で石破首相の存在感が極めて低いことが推察される。 これを挽回するためには、確かに帰路に米国に立ち寄ってトランプ次期大統領と会談し、個人的な信頼関係を築くことが死活的に重要になる。
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コメンテータープロフィール
岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。
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