補足1970年代の映画雑誌、スクリーンやロードショーではオリビア・ハッセーが読者人気投票のランクでつねに上位。表紙を飾ることが何度もありました。ジュリエット役としての無垢で清楚なイメージそのままの姿は、日本人にも愛されやすいタイプで、まさに時代を代表するスターだったのは間違いありません。布施明「君は薔薇より美しい」とともにCMでの姿を記憶する人も多いはず。 その後、代表作と呼ばれる作品はいくつかありつつ、近年は俳優としての活躍がなくなっていたのは残念。そんな彼女が2022年、ニュースを賑わせたのは、「ロミオとジュリエット」の撮影時、フランコ・ゼフィレッリ監督によって意に沿わないヌードを撮られたことで、製作のパラマウントへの提訴でした。ロミオ役のレナード・ホワイティングも彼女に同調。現在では明らかに「性的搾取」の事態が、名作の裏で起こっていたかもしれないと、往年の映画ファンにはショックでした。
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コメンテータープロフィール
1997年にフリーとなり、映画専門のライター、インタビュアーとして活躍。おもな執筆媒体は、シネマトゥデイ、Safari、スクリーン、キネマ旬報、VOGUE、シネコンウォーカー、MOVIE WALKER PRESS、スカパー!、GQ JAPAN、 CINEMORE、BANGER!!!、劇場用パンフレットなど。日本映画ペンクラブ会員。全米の映画賞、クリティックス・チョイス・アワード(CCA)に投票する同会員。コロンビアのカルタヘナ国際映画祭、釜山国際映画祭では審査員も経験。「リリーのすべて」(早川書房刊)など翻訳も手がける。連絡先 irishgreenday@gmail.com