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西山隆行

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成蹊大学法学部政治学科教授

報告

見解過激で相手にとって受け入れ不可能な発言をし、交渉相手を揺さぶることで自分の有利な状況を作り出そうという、トランプ流の交渉術なのでしょう。しかし、同盟国や友好国に対してそのような手法を用いることは、米国に対する信頼を損ねて米国のソフトパワーを減退させます。その結果として中ロなどの権威主義国に対してなびく国が増えるような事態も招きかねません。このような懸念を示す人は、共和党内にも数多くいるはずです。しかし、トランプはそのような声に耳を傾けないようなので、この手法はトランプ政権の基調となるのでしょう。 ユーラシアグループが発表した2025年の世界の10大リスクの一つは「Gゼロ」でした。こちらは同グループの代表であるブレマーが国際秩序を主導する国家が存在しない状態をさして使ってきた用語ですが、非常に説得があるように思えてきます。

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コメンテータープロフィール

西山隆行

成蹊大学法学部政治学科教授

専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。

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