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西山隆行

西山隆行認証済み

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成蹊大学法学部政治学科教授

報告

補足連邦政界の経験がないアウトサイダー大統領として、米国政治を導こうとした人物でした。ウォーターゲート事件が起きて連邦政治に対する不信が強まる中、信仰心に厚く、クリーンなイメージを持つジョージア州知事であるカーターは、まさに当時の米国民に求められていた人物でした。大統領就任式の後、議事堂からホワイトハウスまで歩いてパレードを行うなど、国民へのアピールを重視していました。非常に能力が高い人物だったといわれますが、細かなことにこだわりすぎるあまり、問題を起こしたこともあります。経済政策に失敗し、イランアメリカ大使館人質事件への対応も拙かったという印象が強く持たれているようですが、内政面では規制緩和を推進したり、エネルギー省も創設しました。対外面でも人権外交を展開するなど、時代を先取りした点もあります。大統領就任後には、記事中にもあるように様々な人道問題に関与した人物です。

コメンテータープロフィール

西山隆行

成蹊大学法学部政治学科教授

専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。

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