補足エマニュエル大使は長崎の平和式典にイスラエルが招待されていないことを根拠に欠席を表明して話題になりましたが、クリントン政権期に大統領補佐官や大統領顧問、オバマ政権期に大統領首席補佐官を務め、連邦下院議員、シカゴ市長の経験もある民主党系の実力者です。激しい性格とパフォーマンス好きで賛否が分かれる人物ですが、バイデン政権との近さもあって、大使として日米同盟の強化に努めました。例えば、日米韓3カ国首脳会談の定例化に向けて尽力し、中国を念頭においてインド太平洋地域で友好・同盟国との関係構築に努めました。ハリス政権が誕生することになれば新たに重要な役割を担いたいと考えてもおかしくありません(実際に安全保障問題担当の大統領補佐官という噂も出ています)。
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コメンテータープロフィール
専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。