「稼ぐの難しい」「収入減った」中国で相次ぐ無差別殺傷は“社会への報復”? 事件で注目「三低三少」とは【Nスタ解説】
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見解昨今の中国に関する分析として正鵠を射た指摘が多いと思う。 あえて付け加えれば、三低三少は普遍性あるテーマで、こうした社会情勢の変化が大きな出来事を引き起こすのはどの国でもあり得る。 今年に入って米大統領選をはじめ各国の選挙で与党系が軒なみ苦戦しているが、各国に共通するのは現状に対する閉塞感の広がりだ。 多くの新興国・途上国でも同様で、ケニアやバングラデシュでデモ隊が議会を占拠したり、アフリカの貧困国でテロが多発したりしているのも、程度の差はあれ同じことがいえる。 これらと比べて中国の場合、社会的不満を募らせても、当局の締めつけが強すぎて、それを晴らす手段が限られている。それは結果的に一人で無差別殺傷に走る事件を、他国を上回るペースで多発させているとみてよい。 とすると一連の事件は個別の出来事であっても連なっていて、だからこそ中国政府が「一部な個人の犯罪」と強調するのも不思議ではない。
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博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学などで教鞭をとる。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。
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