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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

報告

見解イスラエルとレバノンの間で、イスラエルとヒズボラの停戦が合意され、ヒズボラもレバノン南部地域から戦闘部隊の撤退など合意内容を受け入れるという。9月のイスラエルによるヒズボラの通信機器の一斉爆発と、その後の大規模な空爆による最高指導者ナスララ師殺害、さらに地上侵攻というイスラエル軍の激しい攻撃で、ヒズボラ指導部も支配地域も大きな打撃を受け、ヒズボラも地域の復興のために停戦を受け入れざるをえない状況だろう。イスラエルではいま停戦しても、北部地域の安全が確保される保証はないと停戦に対する批判も強いようだが、ネタニヤフ首相はヒズボラとの停戦で、ガザのハマスを孤立させ、イランへの対応に集中できると説明している。この停戦を受けて、今後、懸念されるのはガザ情勢であり、トランプ次期大統領が就任するまでの2カ月弱で、イスラエルが既成事実をつくためにガザでのさらなる大規模な軍事攻勢にでる可能性がある。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 前嶋和弘

    上智大学総合グローバル学部教授

    補足「違反あれば攻撃」というネタニヤフのこの言葉のように、停戦合意が停戦にたどり着けるかどうか。さらに、…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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