Yahoo!ニュース

石田雅彦

石田雅彦認証済み

認証済み

科学ジャーナリスト

報告

見解いわゆる「ハゲタカ・ジャーナル」の問題は、2000年代に入ってから急速に悪化しているようです。国内の大学院には博士号は英文雑誌への掲載が必須というところもあり、どうしても学位が欲しい学生が引っかかる危険性があります。また、国際化、グローバル化の波は科学の世界にも押し寄せ、海外で研究したい実績の欲しい途上国の若い研究者が「ハゲタカ・ジャーナル」の餌食になりやすいという分析もあります。こうした背景から「ハゲタカ・ジャーナル」に対する過度な批判は、途上国からの学術的な発信や途上国固有の問題、リサーチ・クエスチョンなどが見えなくなるという指摘があるのも確かです。 そもそも「ハゲタカ・ジャーナル」には確固とした定義もなく、内部の査読体制なども常に変化し、掲載論文の質の高低についての評価もあいまいで、この記事にあるような共通点から一概にどれが「ハゲタカ・ジャーナル」か決めつけることは難しいでしょう。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鳥海不二夫

    東京大学大学院工学系研究科教授

    補足ハゲタカジャーナルの問題点としては,主に研究者の業績の水増しがあげられますが,お金さえ払えば掲載され…続きを読む

コメンテータープロフィール

いしだまさひこ:北海道出身。法政大学経済学部卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修士課程修了、医科学修士。近代映画社から独立後、醍醐味エンタープライズ(出版企画制作)設立。紙媒体の商業誌編集長などを経験。日本医学ジャーナリスト協会会員。水中遺物探索学会主宰。サイエンス系の単著に『恐竜大接近』(監修:小畠郁生)『遺伝子・ゲノム最前線』(監修:和田昭允)『ロボット・テクノロジーよ、日本を救え』など、人文系単著に『季節の実用語』『沈船「お宝」伝説』『おんな城主 井伊直虎』など、出版プロデュースに『料理の鉄人』『お化け屋敷で科学する!』『新型タバコの本当のリスク』(著者:田淵貴大)などがある。

石田雅彦の最近のコメント