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バレーボール女子韓国代表が東京五輪までに解決したい「イジメ美人姉妹」が抜けた穴

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
キャプテンのキム・ヨンギョン(写真:ロイター/アフロ)

東京五輪に向けて日本のバレーボール界が動き出した。5月1日・5月2日に有明アリーナで行われた『バレーボール日本代表国際親善試合〜東京チャレンジ2021〜』で、男女の日本代表が揃って中国代表と対戦。約1年半ぶりとなる国際マッチを行なった。

いじめスキャンダルの姉妹は代表で主力だった!!

東京五輪に向けたテストマッチであり、7月の本番に向けた最後の追い込みの開始を告げたが、東京五輪の出場権を得ているお隣・韓国の女子バレーボール代表もいよいよ“東京五輪モード”に突入している。

韓国ではプロバレーボールのVリーグは3月30日に閉幕。選手たちは束の間のオフを過ごしたあと、4月23日から韓国のナショナルトレーニングセンターである鎭川(チンチョン)選手村で強化合宿に入っている。

4月29日にはチームを指揮するステファーノ・ラバリニ監督が久々に韓国に入国。昨年から続くコロナ禍以降、母国イタリアで滞在していたラバリニ監督だが、東京五輪に向けてチーム状況を点検すべく韓国入国を急ぎたいと強く要望したという。

ただ、それも無理はないだろう。今年2月に発覚した過去の“いじめ加害者”スキャンダルでイ・ジェヨン、イ・ダヨンの双子姉妹が、韓国代表資格の無期限剥奪処分となった。

人気と実力、さらにはルックスも良かった双子姉妹は韓国女子バレーのスター選手であると同時に、ラバリニ監督からすると頼りにしていた“主力”だった。

(参考記事:「この世の美貌じゃない」韓国女子バレー“美人双子”が雑誌で見せた圧巻ビジュアル【PHOTO】)

高校時代から凄腕アタッカーとして有名だった姉イ・ジェヨンはラバリニ監督就任前から韓国女子バレー界の次世代エースであったし、妹イ・ダヨンはラバリニ監督に見出されて代表定着。主力セッターになった。韓国女子バレーは2020年1月のアジア予選で東京五輪出場権を獲得しているが、そのときに大活躍したのが双子姉妹だ。

ネーションズリーグで東京五輪メンバーを決めたい

そんな“主力”ふたりが過去のいじめ問題が原因で代表資格剥奪処分となってしまったのだ。

ラバリニ監督からすれば理解しがたい理由だが、スキャンダル発覚から2か月が過ぎてもふたりの代表復帰も恩赦も議論されない以上、ラバリニ監督からすればチーム再整備を急ぎたかったのだろう。代表監督であっても韓国入国時は2週間の隔離生活が義務づけられるが、それも辞さないほどの強い覚悟だったという。

そして、そんな指揮官の熱意に呼応するように、チームの雰囲気も悪くはないらしい。

「新型コロナでいろいろと難しい状況ですが、東京五輪を控えて招集された選手全員が気持ちをひとつにして練習に取り組んでいます」とは、キャプテンを務めるキム・ヨンギョンの言葉。別名“韓国女子バレー界の女帝“にして代表でも絶対的なスーパーエースであるキム・ヨンギョンを中心に、着々とチーム作りが進んでいるとのことだ。

そんな女子バレー韓国代表が、東京五輪に向けた最終テストの機会としてのが、来る5月25日からイタリアで行われるFIVBバレーボールネーションズリーグ。

同大会には、中国、アメリカ、セルビア、ロシア、イタリア、トルコ、ドミニカ共和国、そして日本といった東京五輪出場国が参加予定だけに、昨年1月のアジア予選以来の国際大会となる韓国にとっても貴重な実戦テストの場となった。

このネーションズリーグを通じて、東京五輪に挑む12名の選手たちを絞り込みたいと考えているというラバリニ監督。

はたしてイ・ジェヨン&イ・ダヨン双子姉妹の代表資格剥奪によって生じてしまった“大きな穴”を埋める選手は現れるだろうか。引き続き注目していきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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