Yahoo!ニュース

川崎フロンターレ加入内定の韓国人GKイ・クンヒョンとは?「ロールモデルはヴィカーリオ」期待の18歳

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
イ・クンヒョン(写真提供=FA photos)

川崎フロンターレは9月18日、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ初戦で蔚山(ウルサン)HD FCに1-0で勝利した。

蔚山とは実に通算7大会目、4年連続の対戦となったが、川崎Fがアウェイで蔚山に勝つのは今回が初めて。損傷の激しいピッチ状態には思わず両軍監督が苦言を呈すほどだったが、悲願の“アジア青覇”に向けてまずは白星スタートを切った。

(参照記事:「国際的な恥」Kリーグ王者でさえも芝ボロボロ…選手も監督も苦言呈す韓国サッカーの“劣悪ピッチ”

そんな川崎Fに2025年シーズンから韓国の有望株GKが加わる。9月19日、来季の加入内定が発表されたGKイ・クンヒョンのことだ。

イ・クンヒョンは2006年5月22日生まれの18歳。水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスU-12、U-15、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースU-18とKリーグのユースチームを経て、現在は輔仁(ボイン)高校に通う3年生だ。

身長194cm・体重83kgと優れた体格を持ち、過去にはU-16韓国代表への招集歴もある。今年6月に行われた全国大会の一つ「文化体育観光部長官旗」では輔仁高の優勝に貢献。7月の「大統領金杯」ではベスト16のPK戦で相手4人目のキックをセーブし、チームを勝利に導く活躍も披露した。

自身の強みを「敏捷性」と話すイ・クンヒョン。“ロールモデル”はイタリア代表GKグリエルモ・ヴィカーリオ(トッテナム)で、「彼のようにチームに献身的な選手、チームを助けられる選手になりたい」という。輔仁高のシム・ドクボ監督も「GKとして優れた資質を持った選手」と太鼓判を押す。

そんなイ・クンヒョンは川崎F加入内定の発表に際し、クラブを通じて次のように意気込みを伝えている。

「はじめまして。私は韓国の輔仁高校のイ・クンヒョンです。川崎フロンターレという素晴らしいクラブでプロサッカー選手としてのキャリアをスタートすることができて、とても光栄です。今まで支えてくれた家族、指導者、関係者、たくさんの仲間たちへ心から感謝します。素晴らしい環境、素晴らしいスタッフ、素晴らしい仲間と最高のサポーターとともに、一日でも早くフロンターレの力になれるように一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします」

川崎Fのゴールマウスを守る大先輩チョン・ソンリョンのように、イ・クンヒョンもJリーグから韓国を代表するGKへと飛躍できるか。若き守護神の台頭を楽しみにしたいところだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事