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飲食店のルールやマナーで議論が尽きない! 炎上してしまう理由をサクッと解説 #専門家のまとめ

東龍グルメジャーナリスト
(写真:イメージマート)

飲食店が設定するルールや客が守るべきマナーについて、以前から議論が尽きません。SNS時代になって、飲食店がルールを強く主張したり、客がマナーで厳しく糾弾されたりする話題が散見されています。ファインダイニング=高級レストラン、および、予約困難店=食通専門店であれば、客層は限られており、客席も少ないので、飲食店と客の間に横たわる“意識のズレ”は少ないです。しかし、ラーメン店や居酒屋などのカジュアルな業態では、様々なバックグラウンドや嗜好性を有する多くの人が訪れるので“意識のギャップ”が多く見受けられます。

ココがポイント

▼客のマナーを厳しく注意するのは、人生がかかっていて追い込まれているから。客が優しい気持ちをもつことも必要

人気ラーメン店が炎上覚悟で「食べに来てほしくない客」をSNS投稿するワケ 元店主は「放置すれば店が潰れることも」(AERA dot.)

▼早稲田にある人気ラーメン店がイヤホンを付けたまま食事する客に「マナー違反」と苦言を呈して賛否両論

人気ラーメン店の店主“食事中のイヤホン着用”にXで苦言。「マナーを守ってほしい」(飲食店ドットコム ジャーナル)

▼飲食店でのふるまいが「良いと思う」87%、「した方が良いと思うこと」1位は「残さずきれいに食べる」

食べ終わったお皿は重ねる? 料理の写真撮影に店員さんの許可は必要?SNSで話題の「飲食店でのマナーだと思うこと」ランキング発表(リクルート)

▼飲食店の時間制限は「明らかに短すぎる」という一方で、ダラダラしないで「むしろ助かる」という声も

「2時間制です」飲食店の“時間制限”への客の思い 「かえって制限あるほうが助かる」の声が出る理由(マネーポストWEB)

▼有吉弘行氏がスマホNGの飲食店に「絶対行きたくない。おいしくても、楽しく食べられるかが重要」と持論を展開

「絶対行きたくない」有吉弘行、“スマホNG”飲食店へのダメ出しに議論噴出「店主の押し付け」「行かなかきゃいい」(Smart FLASH)

エキスパートの補足・見解

食品衛生法に基づいた飲食店営業許可を満たしていれば、どの業態を選び、どういった客層をターゲットにし、どれくらいの客単価を設定するかなど、飲食店はかなり自由に運営できます。目指す店舗に適したルールを定め、マナーを醸成するのが、非常に重要です。

飲食店におけるルールやマナーの違反が糾弾されていますが、9割近くの客はマナーを守っていると回答しており、有吉弘行氏もうるさい店には「絶対行きたくない」と言及。その一方で、ラーメン店や居酒屋のようなカジュアルな飲食店は、参入障壁が低いので競争が熾烈であり、こだわりや矜持が必要です。飲食店と客の意識の差が強調されたのが、ここ最近における“ルールおよびマナー論争”の主因ではないでしょうか。

飲食店のルールやマナーに正解はありません。ただ、ルールを定める以上、飲食店は明文化が必要であり、マナーが存在する以上、客は背景を斟酌するべきです。東京には10万店以上もの飲食店があり、和食は2013年にユネスコ無形文化遺産にも登録されました。日本の食は世界に誇れる最重要資産のひとつであるだけに、飲食店と客がよい関係を保ちつつ、どちらとも発展していくことを切望しています。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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