ペットが亡くなったので「喪中はがき」を出したら、「やり過ぎ」「理解に苦しむ」?
11月の下旬から喪中はがき(年賀欠礼状)が届きます。それは身内に不幸があり、年始のあいさつを出さないということです。
いまやペットは、家族の一員と言われていますが、ペットの喪中はがきが届いたらどうしたらいいのかということが話題になっています。今日は、愛犬や愛猫が亡くなったときの飼い主の心情を考えていきましょう。
ペットの猫が死んだので「喪中はがき」を出したら、非常識?
それでは、話題になったOTEKOMACHIにより記事を読んでみましょう。
つまり喪中はがきを出したA子さんは、だれが亡くなったという続柄を書かずに、さあやさんに出しました。受け取ってさあやさんは、人間だと思い慌てて連絡すると猫だったので、ペットのことでわざわざ喪中はがきを出すのは非常識と思ったというものでした。
なぜ、A子さんはさあやさんに猫の喪中のはがきを出したのか?
筆者は、ペットの喪中はがきを受け取った人の中で、さあやさんのように非常識と思う人がいることがショックでした。A子さんを知っているわけではありませんが、A子さんの心情を推測してみましょう。いくつかの理由があるので、その辺りから考えてみました。
□犬や猫の寿命が延びたから
一般社団法人ペットフード協会の「令和2年 全国犬猫飼育実績調査」によりますと、猫全体の平均寿命は15.45歳。犬全体は14.48歳です。
つまり、人間だとすると生まれ子が中学3年生まで、育てることです。A子さんの猫が何歳で亡くなったかわかりませんが、統計では15歳過ぎまで生きていたことです。子どもがいないA子さんにとっては、中学3年まで育てあげた子が、亡くなったことになるのです。
□室内飼いになったから
いまの猫は、室内飼いの子が多いです。
A子さんの猫が室内飼いだったとすれば、仕事から帰ってきたA子さんに毎日、出迎えてすりすりとして、温もりを与えてくれていました。A子さんがただいまと抱き上げると猫の体温から温もりを感じていたのかもしれません。
仕事で疲れたA子さんにとっては、ずいぶんと癒やしになったことでしょう。
□コロナ禍だったから
いまの時期、コロナ禍で人と会うことを制限されていました。そして密になることを避けて距離をおく時代になっています。
そうなるとどうしても孤独感を味わってしまうことも多くなります。そんななか、猫はA子さんにとって心の拠りどころだったのでしょう。
□年賀状を出し合う仲なので
A子さんもだれかれではなく、愛猫が亡くなったことを知らせているわけでないと思います。喪中はがきを出すということは、年賀状を毎年、やり取りしている相手ということです。
たいへん親しい人だけというわけではありませんが、年賀状を出し合う仲なので、愛猫の死を伝えて年賀状を出す気分にならないことを伝えたかったのでしょう。
ペットを飼っていない人には、愛犬や愛猫を亡くした喪失感や悲しみは、わかりにくいかもしれません。しかし、それは家族が亡くなったのと同じぐらい深い人もいるのです。
がんの治療をしていると、飼い主は寝る時間を惜しんでペットのお世話をされている方がいらっしゃいます。
ある飼い主は「自分より大切なものがあることは幸せだし自分のために食事の用意とかができなくても、この子のためならできる」と言われていました。
ペットを育てたからといって大きくなって飼い主に料理を作ったり掃除をしたりなどはしてくれませんが、猫や犬が傍にいてくれるだけで十分に幸せなのです。そんな飼い主がいることを理解してほしいです。
ペットを飼っていない人は、ペットの喪中はがきを出すことを非常識と思わず、
飼い主の悲しみのサインだなと理解して温かく受け止めてもらうとありがたいです。