賃貸人や管理会社に告げずに居住する賃借物件を退去し、給水や給餌の準備もなく、飼い猫を約1カ月半置き去りにしたとして、元飼い主が動物愛護法違反の容疑（遺棄）で大阪府警生野署に、刑事告発されましたとまいどなニュースが報じています。

なぜ飼い主が刑事告発されたのか、その背景を詳しく見ていきましょう。

暑い日にゴミ部屋で置き去りされたミラクルちゃん

部屋の中はビールや酎ハイなど大量のお酒の空き缶と食べかす、脱いだままの服など汚い不潔な状態。ミラクルちゃんは水を飲もうとしたのか、便器の横で力尽きて動けなくなっていたところを保護し病院に連れて行ったとまいどなニュースは伝えています。

こんな過酷な環境で、ミラクルちゃんはよく1カ月半も耐え抜きました。それなのに、飼い主が愛猫をこのような状態で放置できたことが信じられません。

飼い猫は動物愛護法によって「愛護動物」とされ、その飼い主には適切な飼育を行う義務が定められています。十分な食事や水、清潔な住環境、健康管理を提供することが求められ、これに違反すると、ネグレクトとして動物虐待と見なされることがあります。

飼い主は、猫を適切に飼わないとネグレクトになり動物愛護法違反に？

動物愛護法は、動物が健康で快適な生活を送るための基本的な権利を守るための法律です。

日本の動物愛護法（正式名称：動物の愛護及び管理に関する法律）は、動物の命や健康を守り、人と動物が共生する社会を実現するために設けられています。

具体的には、動物愛護法で「適切な給餌や給水、環境整備、健康管理が義務付けられている」とされ、これを怠った場合、罰則が科される可能性があるとされています。

今回のミラクルちゃんのケースはネグレクトに該当し、これは虐待行為です。猫を叩いたりケガをさせたりするだけでなく、ネグレクトも虐待行為にあたる場合があります。

ネグレクトによって猫が病気や負傷に陥り、健康を害した場合、それは飼い主の責任であり、法律違反として厳しく罰せられる可能性があるのです。

また、長期間にわたって猫を放置したりや病気の治療を怠ったりすることなどは明らかに不適切な飼育であり、法的に責任が問われる場合があります。

さらに、猫は特にケアを必要とする動物です。野生環境とは異なり、飼育下の猫は食事やトイレの環境整備を人間に完全に依存しています。

そのため、これらの基本的な世話を怠ることは、猫にとって深刻な健康リスクを引き起こす可能性があります。例えば、給餌が不十分であれば低血糖や栄養失調を招き、場合によっては命の危険にさらされることもあります。また、不衛生な環境で飼育されれば、感染症や寄生虫のリスクも高まります。

まとめ

動物愛護法は単に動物を傷つけないように、適切な飼育を通じて動物の福祉を守ることを目的としています。

この法の存在意義は、人間と動物がともに安心して生活できる社会を作り上げることです。猫のネグレクトが動物愛護法に違反するのは、動物としての最低限の権利を侵害する行為だからです。

猫を飼うということは、365日、責任を持って適切に飼養することです。その覚悟を持って、猫を迎えてくださいね。