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韓国で速報!北朝鮮の「ゴミ風船」が飛来! 北朝鮮のアキレス腱である対北拡声器放送をしても止まらない!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
北朝鮮から韓国に飛来した「ゴミ風船」(JPニュース提供)

 今朝午前7時半過ぎに韓国合同参謀本部は北朝鮮が韓国に向け「ゴミ風船」を飛ばしたと、発表した。「ゴミ風船」は現在、西風に乗って軍事境界線に隣接している韓国の京畿道方面に向かって飛来している。

 北朝鮮が「ゴミ風船」を飛ばすのは7月21日以来、3日ぶりである。北朝鮮のキム・ガンイル国防次官が5月25日に脱北団体による「ビラとごみ散布行為に対して真っ向から対応する」との談話を発表し、5月28日に最初の「ゴミ風船」を飛ばしてから合計10回目となる。

 初めの頃は、動物のフンなども入れた「汚物風船」を飛ばしていたが、6月8日の3回目からは紙切れなど単純にゴミだけを詰め込んでいる。

 北朝鮮が脱北団体の「ビラ風船」に「汚物風船」で対抗した際に韓国軍は「止めなければ、耐えられないようなあらゆる措置を取る」と警告し、実際に北朝鮮が6月8日に3回目の「ゴミ風船」を飛ばした際には本気度を示すため6月9日に北朝鮮が嫌がる拡声器放送に踏み切り、金正恩(キム・ジョンウン)体制批判放送を始めた。それでもこの時は控えめで、放送時間も午後5時から7時までの2時間に限定されていた。

 「今後放送を続けるかどうかは、北朝鮮の出方次第だ」と、北朝鮮に自制を促していたが、北朝鮮は放送終了から2時間後の午後9時頃から10日の明け方にかけて4回目の「ゴミ風船」放流を行った。北朝鮮は以後、6月24日、25日、26日、そして7月18日と飛ばし続けた。

 業を煮やした韓国軍は再び拡声器を持ち出し、18日午後6時頃から19日午前4時までの10時間、拡声器放送を行った。

 この日以降、韓国軍は拡声器放送を連日続けている。北朝鮮が反発し、21日に再び「ゴミ風船」を飛ばすと、放送時間を午前6時からスタートさせ、夜の10時まで延べ16時間も放送を行っている。

 午前から放送を始めたのは軍事境界線の北側エリアで作業している北朝鮮兵士にも聞こえるようにするためで心理戦放送である「自由の声」の放送し続けている。

 放送内容は金正恩総書記の恥部から北朝鮮が伝えない人身事故、キューバの参事官ら相次ぐ外交官の亡命、さらには北朝鮮当局が激しく取り締まっている韓国の大衆歌謡やKポップの歌などが中心となっている。

 「人民軍のみなさん、こんにちは朝早くから夜遅くまで地雷畑で価値のない労力を強いられている人民軍兵士のみなさん、地獄のような奴隷生活から脱出せよ」と、「自由の声」のアナウンサーが脱北を呼び掛ける内容も含まれている。

 それでも北朝鮮は今朝、計10回目となる「ゴミ風船」を放流したわけだから韓国とすれば、とりあえず24カ所ある固定式拡声器に加え、16個の移動式拡声器をすべて稼働し、丸一日、金体制にダメージを与えられる番組を構成し、放送するしか対応はなさそうだ。

 なお、最近の北朝鮮の「ゴミ風船」の中にはタイマーが設置され、特定の時間に炸裂させ、上空からビラを散布する仕組みの風船も数多く含まれているようだ。

(参考資料:どうにも止まらないゴミと騒音の南北の応酬  銃弾が飛び交うのは時間の問題!)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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