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やす子さんが5歳の保護猫「アビシ」ちゃんを迎えた その3つの素晴らしい理由とは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
やす子さんの写真(写真:REX/アフロ)

お笑い芸人のやす子さんは「昨日から猫を飼い始めたんですよ! 5歳の保護猫ちゃん。かわいいんですよ~私に似て」とデレデレの笑みを浮かべたと日刊スポーツは伝えています。

このニュースは、多くの人々にとって喜ばしい話題です。なぜ、素晴らしいのかを見ていきましょう。

やす子さんが保護猫を迎えた その素晴らしい3つの理由

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イメージ写真写真:イメージマート

1、やす子さんが5歳の成猫を迎え入れた

非常に意義深いものです。一般的に、子猫は可愛らしさからすぐに里親が見つかることが多いですが、成猫になるとその魅力が伝わりにくく、保護施設で長期間過ごすケースが増えます。そのため、成猫が新しい家族に迎えられることは保護猫全体の中でも特に貴重な出来事です。

子猫は飼い主との絆を築きやすく、これからの成長過程を見守る楽しみがあるため、人気がありますが、成猫は「もう性格が決まっている」「新しい環境に適応しにくい」といった誤解から、里親が見つかりにくいのです。しかし、実際には成猫には落ち着きや性格の安定感があり、飼いやすい特長があります。やす子さんが成猫を迎え入れることで、その魅力が広く伝わり、成猫を家族に迎えたいと考える人が増えることが期待されます。

2、やす子さんが保護猫を選んだ

やす子さんはペットショップやブリーダーの猫ではなく、保護猫を選んだのです。

日本ではまだまだペットショップやブリーダーから動物を迎えるのが一般的ですが、保護猫や保護犬に目を向けることを知って、そのように行動しました。ペットショップでは、販売を目的に繁殖が繰り返されることが多く、動物たちの健康や福祉が十分に配慮されていないケースも見られます。

その一方で、保護施設には家庭での暮らしを必要とする動物たちが数多く存在します。やす子さんが保護猫を選んだことは、ペットを迎える際の新たな選択肢を多くの人々に示してくれるものであり、ペットショップに頼らない里親文化の普及に貢献していると言えます。

3、やす子さんがひとり暮らしの女性である

ペットを飼うことは生活に大きな変化をもたらしますが、ひとり暮らしや忙しい生活を送る人が多いため、以前は保護猫を飼うことが難しいとされていました。

しかし、ひとり暮らしで仕事をしているやす子さんが成猫を飼うことは、実現可能なのではないでしょうか。特に成猫は子猫に比べて手間がかからず、落ち着いた生活リズムに適応しやすいという利点があります。

やす子さんがひとり暮らしの環境で保護猫を飼う姿勢は、同様のライフスタイルを持つ人々にとって励みとなり、「自分も飼えるかもしれない」と感じさせる力があります。

また、これまでひとり暮らしの人への譲渡を躊躇していた保護団体も、この例を見て条件を緩和する可能性があります。その結果、1頭でも多くの保護猫に里親が見つかることが期待されます。

まとめ

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彼女の例を通じて、ひとり暮らしでも無理なく保護猫を迎え入れられることが広く認識されれば、さらに多くの猫たちが新しい家を見つけられる可能性が高まります。

やす子さんの今回の選択は、保護猫に対する理解を深めるだけでなく、成猫の魅力を伝え、ペットショップやブリーダーに頼らない里親文化の発展につながります。

また、ひとり暮らしの女性が猫を飼えるという現実を広め、より多くの人々が保護猫を選ぶきっかけになるでしょう。彼女の行動は、多くの人にとって新たな視点を与えるとともに、保護猫の未来に明るい希望をもたらしています。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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