主な新興国/米国経済ニュース(6日)
米GM、2014年全世界リコール台数3043万台超に―米国内2695万台超
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ<GM>は2日、2014年最後のリコール(無償回収・修理)を発表した。それによると、2011-2013年モデルのキャデラックの「エスカレード」やシボレーの「アバランチェ」、GMCの「シエラ」などSUV(スポーツ用多目的車)とピックアップトラックの10車種にエンジン点火スイッチのアクチュエータ(ロック作動装置)に不具合が見つかったとして、全世界で9万2221台(米国内は8万3572台)をリコールすると発表した。
これで、同社の2014年のリコール件数は84件となり、リコール対象も全世界で3043万3365台、米国だけでは2695万1675台に達した。
今回の不具合では、エンジン点火スイッチ(キー)が回りにくくなるほか、エンジン始動の位置でキーが動かなくなる恐れがある。この不具合で500台弱が影響を受けたもようだが、交通事故や負傷の報告はない。
昨年2月に発生したエンジン点火スイッチの不具合では、これまでに42人の死亡が認定されており、リコール台数は260万台を超えている。また、ユーザーによる訴訟も数多く提起されており、現在もアリゾナ州では総額30億ドル(約3600億円)の損害賠償請求訴訟が係争中だ。
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米ケロッグ、エジプト製菓大手ビスコの買収合戦で競合相手の提示額を上回る
米インスタント穀類大手ケロッグ<K>は新興国での事業拡大の一環として、エジプト製菓大手ビスコ・ミズルの過半数の株式(51%)の取得を目指し、競合するプライベートエクイティ(PE)ファンドアブラージ・グループを上回る買収額を提示した。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が昨年12月31日に伝えた。
ケロッグが提示した買収額は1株当たり89.86エジプトポンド(約1530円)で、アブラージが12月24日に提示した同88.09ポンド(約1500円)より2%高くなっている。ケロッグはビスコの企業価値を最大で1億4400万ドル(174億円)と見ているのに対し、アブラージは1億4200万ドル(171億円)とやや低めに見ている。
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インドネシアのガルーダ航空、経費削減で日本路線を減便へ
インドネシア航空大手ガルーダ・インドネシア航空は、営業経費を削減するため、日本路線を中心に国際線の運航本数を削減するほか、ビジネスクラスの座席数も削減する方針だ。同社ではこうした一連の経費削減によって、他社との競争力を強化したい考え。ジャカルタ・ポスト(電子版)が2日に伝えた。
同社のアリフ・ウィボウォCEO(最高経営責任者)は、国際便の減便はジャカルタ-成田、デンパサール(バリ島)-成田、ジャカルタ-羽田、デンパサール-羽田、デンパサール‐ブリスペンの5路線で、日本路線の便数は現在の1日2便から1便に減便する。また、来年に予定していた名古屋路線は中止するとしている。その代り、中国旅行客の需要増大に伴い中国路線を拡大するとしている。
ビジネスクラスの座席数も1便当たり12席から8席に減らす方針で、来年から段階的に「ボーイング737-800」型機から実施する。同社ではこれによってエコノミークラス席が増えるため、市場シェアも高まるとしている。
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ベトナム石油ガスグループ、今後10年間に油・ガス田開発で6兆円投資へ
国営ベトナム石油ガスグループ(ペトロベトナム)は2025年までの今後10年間の油・ガス田開発で約500億ドル(約6兆円)を投資する計画だ。地元紙サイゴン・タイムズ(電子版)が2日に伝えた。
これは同社のグエン・スアン・ソン総裁がウェブコンファランスで明らかにしたもので、同計画は共産党政治局に提出され、今年4-6月期には承認を得たい考えだ。同総裁は「会社独自の財源や政府資金だけに頼っていては巨大企業にはなれない。外部からの資金調達が必要になる」と述べている。
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インド国営銀行、モディ首相に民営化推進で持ち株比率引き下げを要請
インドの国営銀行のトップは3日、マハーラーシュトラ州プネーで開かれた政府会合で、ナレンドラ・モディ首相に対し、今後の金融改革の方向性を示す「改革アクションプラン(RAP)」に国営銀行の民営化の推進を盛り込むよう要請した。地元紙タイムズ・オブ・インディア(電子版)が4日に伝えた。
これは国営銀行が融資など銀行の事業拡大に必要な資金をいつまでも政府資金に依存し続けることには限界があるため、世界の金融市場で資金を調達するには政府の直接関与を薄める必要性があるとしてモディ首相に要請したもの。具体的には政府の国営銀行の株式保有比率を51%以下に引き下げることを目指す。会合ではアタル・ビハリ・バジパイ元首相は政府の株式保有比率を33%にまで引き下げるよう提案している。
また、政府は国営銀行に対する直接関与を避けるため、国営銀行の持ち株会社バンク・インベストメント・カンパニー(BIC)を設立し、間接的な関与に改めたい考えだ。
政府会合はモディ首相やラグラム・ラジャン中銀総裁、アルン・ジャイトリー財務相、さらには、すべての国営銀行のトップを集めて、2-3日の2日間の日程で開催されたもので、国営銀行の統合や効率化、不良債権処理、流動性資金の確保、優先的に振興を図るべき産業向けの融資・利子補給制度など金融改革について議論したもよう。
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ブラジル中銀週報:2014年GDP伸び率見通しを2週連続で上方修正
ブラジル中央銀行が5日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2014年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比0.14%増から0.15%増へ上方修正された。上方修正は2週連続。1カ月前の予想は0.18%増だった。一方、2015年のGDP伸び率見通しは前週予想の同0.55%増から0.5%増へ下方修正された。1カ月前の予想は0.73%増だった。
また、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2014年は前週予想の前年比6.38%上昇から6.39%上昇へ下方修正(悪化)された。1カ月前の予想は6.38%上昇だった。2015年の見通しも前週予想の6.53%上昇から6.56%上昇へ下方修正された。1カ月前の予想は6.5%上昇だった。
一方、2015年末時点の政策金利の見通しは前週予想の12.5%のまま据え置かれた。据え置きは4週連続。1カ月前の予想も12.5%だった。また、1月20-21日の次回の金融政策決定会合時の政策金利の見通しは前週予想の12.25%のまま据え置かれた。据え置きは3週連続。1カ月前の予想は12%だった。
為替レートの見通しは、2015年末時点の対ドルレートは前週予想の2.8レアルのまま据え置かれた。1カ月前の予想は2.7レアルだった。(了)