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大谷翔平の「空砲」は他の選手と比べて多いのか。ここ4本のホームランはいずれも負け試合

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)June 28, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月28日の3回裏、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、マイク・トラウトに続き、シーズン17本目のホームランを打った。この時点で、エンジェルスは3対0とリードしていたが、そこから11点を取られて敗れた。

 大谷のホームランは、ここ4本とも、エンジェルスの勝利につながらず、空砲となっている。それぞれのスコアは、6月21日(2本塁打)が11対12、25日が3対5、28日は4対11だ。なお、ホームランは必ず得点が入るので、空砲と呼ぶのは違和感があるかもしれない。ただ、失点よりも多くの得点を挙げて勝つ、その目的を達することができなかったという意味で、この記事では、敗れた試合におけるホームランを空砲と表現している。

 大谷が2本のホームランを打った5月29日も、エンジェルスは10対11で敗れているので、今シーズンの17本塁打中、空砲は6本。その割合は35.3%となる。

 一方、トラウトの空砲は23本塁打中9本なので、39.1%だ。今シーズン、ここまでに15本以上のホームランを打っている25人のなかで、トラウトの割合は5番目に高く、大谷は7番目に位置する。

筆者作成
筆者作成

 トラウトよりも空砲の割合が高い4人は、いずれも50%を超える。ホームランの過半数が、負け試合ということだ。それに対し、アンソニー・リゾー(ニューヨーク・ヤンキース)の空砲は、20本塁打中2本(10.0%)しかない。

 基本的に、空砲の割合が高い選手は、勝率の低いチームでプレーしている。ただ、テキサス・レンジャーズの勝率は.493だ。負け越しているとはいえ、エンジェルスの勝率.468よりは高い。にもかかわらず、レンジャーズの2人、アドリス・ガルシアコリー・シーガーは、空砲の割合がどちらも53.3%。トラウトと大谷を上回る。

 なお、トラウトと大谷がアベック・アーチを記録した――連続かどうかを問わず、同じ試合で2人ともホームランを打った――のは、6月28日が今シーズン4試合目だ。それまでの3試合、5月9日と22日、6月11日は、いずれもエンジェルスが白星を挙げた。通算のアベック・アーチは18試合を数え、エンジェルスは12勝6敗を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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