起業にも結び付いた小6女子の特許発明について
「小6で会社設立!? 自由な発想で特許取得した“耳につけないイヤリング”に迫る」という記事を読みました。小学生が特許を取得したというニュースはたまに聞かれます。私も今年の1月に「お子様の発明の特許化を検討されている保護者への手引き」なる記事を書いています。
今回は特許を取得しただけでなく、その特許製品を販売する会社まで起業してしまった点がユニークです。実際、その会社のウェブサイトを見ると、発明者である小学6年生の水野舞さんが取締役社長になっています。正直、どのような家庭でもできるということではないでしょうが、子供時代の経験としてとても価値があることだと思います。
では、どのような発明なのでしょうか?特許番号は、第7016202号、発明の名称は「装身具」、登録日は2022年1月27日です。国際出願(PCT出願)も行われていますが各国での国内移行は確認できていません。当然ながら弁理士が代理人に入っています。特許請求の範囲(請求項1)は以下のとおりです(タイトル画像を見ながら読むと理解しやすいです)。
ヘアピンのような部材(髪挟持体)(110)に、イヤリングのような装飾部材(150)を取付けるための取付部(115a~e)が複数備えられている点がポイントです。ここで注目すべきは、発明の明細書における課題設定の部分でしょう。冒頭の引用記事にも書かれていますが、「発明が解決しようとする課題」には以下のように書かれています。
個人的感想ですが、これってまさに子供ならではの発想であって、大人がブレストしてもなかなか出てこないアイデアではないでしょうか?
一般に、他人の発明を見て素晴らしいと思う場合には、解決手段が素晴らしいと思える場合も、そもそもの課題の設定(目の付け所)が素晴らしいと思える場合もあります(もちろん、その両方が素晴らしいと思える場合もあります)。このケースでは、小6女子ならではの課題設定が素晴らしいと言わざるを得ません。